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2020年6月5日号 FROM THE PUBLISHER 太田 進

FROM THE PUBLISHER 太田 進 愛することがある人は何度でも立ち直れる

【月刊HOTERES 2020年06月号】
2020年06月03日(水)
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 新型コロナウィルスが生み出したこのような苦境の中、ある意味これまでの世界がリセットされ。皆が同じスタートラインに立ったと見ることもできる。そのような世界では、何が正しい、何が悪いという答えはない。現状を自身の目で見て、自身で解釈し、想像力を働かせ、行動できる人間が強い。

 本稿では過去にGoogle などの最先端テック企業や、マッキンゼーなどの大手コンサルティングファームがデザイン企業やアート企業を買収しているという話を紹介したことがある。アートには彼らのようなトッププレーヤーが集まる集団の抱える課題を解決する力があるということだ。

 

 先日、『「自分だけの答え」が見つかる13 歳からのアート思考』(末永幸歩氏著、ダイヤモンド社)という本を読んだ。絵やオブジェなどアートに「分かる、分からない」というものはなく、見方、感じ方は自由であり、結局は自分なりの解釈で良いのだということを丁寧に説明をしている。これはひいては、私たちが生きている世界も同じであるとも言える。このような時代だからこそ、特にポストコロナの世界では常識や正解といったことを忘れて、あなたはどう考えるか、どうしたいのかを問うているようにも感じた。

 同著の最後に、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学で行なった有名なスピーチの内容を紹介している。

 

人生は仕事の大部分を占める。満たされた人生を送るためのたった一つの方法は自分が素晴らしいと信じる仕事をすることだ。さらにそのためには、自分がしていることを愛することだ、と話したものだ。そして著者は言う。多くの人はジョブズ氏だからできたのではないかと考えるかもしれないが、彼は創業後に新しいCEO との方針の違いからアップルを追い出され、さまざまなメディアから負け犬の烙印を押されたことがある。それでも、自分がやってきたことを愛していた。だからこそ拒絶をされても再挑戦をし、再びアップルに返り咲けたのだと。人生を生きていれば予想もしない変化に見舞われることもある。そんな時でも「自分の愛すること」を軸にしていれば目の前の荒波の飲み込まれず、何回でも立ち直ることができるはずです、と。

 日本の教育は答えを欲しがる人を増やしたが、ポストコロナの時代に答えはない。ポストコロナの時代にはすべてがリセットされ、言ってみれば全世界が同じスタートラインに立てるチャンスと見ることもできる。それぞれが現状を見て、それぞれの解釈をし、それをどうアイデアにつなげていけるか。そうした取り組みができるところは、これからの時代にも力強く歩いていけると私は考えている。

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