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2021年12月3日号 トップインタビュー トヨタグループ 東和不動産(株) 事業開発部 東富士開発準備室 室長 伊奈 和久 氏/富士スピードウェイホテル 総支配人 吉川 源太 氏

トップインタビュー トヨタグループ 東和不動産(株) 事業開発部 東富士開発準備室 室長 伊奈 和久 氏/富士スピードウェイホテル(アンバウンド コレクション by Hyatt) 総支配人 吉川 源太 氏

【月刊HOTERES 2021年12月号】
2021年12月02日(木)
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富士スピードウェイのある小山町をモータースポーツの聖地とし、地域に根付き雇用を生み出していく

----ホテルの開業を含めた富士スピードウェイ周辺開発事業は、地元エリアにどのような効果をもたらすのでしょうか。

伊奈 富士スピードウェイがある小山町は金太郎の故郷であり、富士山の一部でもある場所です。豊かな自然、富士山に育まれたおいしい水や農作物がある、とても環境のいい街なのですが、これまで国内外の観光客にそれらの魅力が十分に伝わっていなかったと感じています。

私たちのような外の人間から見ると、小山町は人々を惹きつけることができるとても魅力的なエリアです。地元の魅力を発信し、地元の文化をお客さまに体験していただくことがプロジェクトの大きな目的となります。そうした動きは、地元の方々にも受入れていただけるのではと思います。地域特産の「ごてんばこしひかり」をはじめとして水、野菜といった富士山の恵みを、小山町を訪れる人々に是非味わっていただきたいと考えています。
 
地元の方々にとって大きなメリットの一つに、雇用の創出があります。小山町は人口約1万 8000人の小さな田舎街で、働く場所が少ないため、多くの子どもたちは高校を卒業すると東京に出て行ってしまいます。そこで私たちはプロジェクトを通じて地元の方々に働く場所を提供し、「自分たちの町に世界が注目するホテルがある」という誇りを感じていただきたいと考えています。
 
また、今回のプロジェクトの原点には「富士スピードウェイのある小山町をモータースポーツの聖地に」という想いがあり、富士スピードウェイと共に「未来のモータースポーツを創造したい」というビジョンを私たちは掲げています。その実現のために、モータースポーツ関連のガレージを集積させ、メカニック作業等の見学もできるようにすることで、モータースポーツの働き手とファンの両方を増やしていくための挑戦に取り組もうとしています。
 
このエリアが発展するためには交通アクセスの向上が非常に重要であり、2023年度開通予定の新東名高速道路は大きな背景となっています。ホテル計画の中で温泉を掘削したところ、非常に泉質の良い温泉が湧きました。東京や名古屋からドライブがてら立ち寄っていただき、富士山を見ながら温泉でゆっくりしてもらい、富士スピードウェイでのレース観戦や走行、ミュージアム鑑賞、モータースポーツ関連ガレージの見学など、このエリアならではの体験を提供していきたいと考えています。

 

ホテルとミュージアムがボーダレスに融合するスタイルの構築がポイント

----富士スピードウェイホテルに冠されているブランド「アンバウンドコレクション by Hyatt」は、今回が日本初上陸となります。ハイアットの他のブランドとの違いはどこにありますか。

吉川 アンバウンド コレクション by Hyattは、各ホテルがそれぞれ唯一無二のストーリー性を持った上で強烈な個性を打ち出すブランドです。グランドハイアット、ハイアットリージェンシー、パークハイアットはハードブランドであり、同一のコンセプトに基づいた展開が求められます。一方でアンバウンドコレクション by Hyattはソフトブランドであり、立地する町の歴史や文化と一体化しながら、それぞれのホテルが独自のコンセプトを持ち、その土地のランドマーク的な存在になることが求められます。
 富士スピードウェイホテルも唯一無二のホテルとして、ホテルの DNAからコンセプトに至るまで一から構築していく必要があります。
 
伊奈 サーキットに隣接したホテルは日本には存在せず、世界でも数ヶ所しか存在しません。この唯一無二の価値を提供するためには、ハードブランドではなくソフトブランドが必要でした。富士スピードウェイホテルにしかないブランドの創造に私たちはこだわり、その想いにハイアット側が賛同してくださったところから、今回のホテルプロジェクトはスタートしています。

ホテルにモータースポーツミュージアムを創るという発想も、モータースポーツに特化した独自の軸を表現するために出てきたものです。そのため、トヨタのみの歴史に偏った展示でははく、国内外の自動車メーカーの皆さまにご協力いただき、ミュージアムの価値を最大化するプランを練っているところです。
 
ポイントは、ホテルとミュージアムがボーダレスに融合するスタイルの構築です。たとえば宴会場でパーティーを開く前にミュージアムで食前酒を提供する、ミュージアムで車を見学した後に宴会場で有名ドライバーが講演するといったホテルとミュージアムが一体となった形を目指しています。

 

ホテル棟に併設するモータースポーツミュージアムのイメージ
ホテル棟に併設するモータースポーツミュージアムのイメージ

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