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1/100単位で徹底検証したブレンド⽇本酒『響花』期間限定販売開始

2023年11月06日(月)
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今年で創業10年を迎える日本酒事業に特化したスタートアップである株式会社Clearが運営する日本酒ブランド「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」は、2023年11⽉8⽇(水)から2024年1⽉15⽇(⽉)までの期間限定で、1/100単位で徹底検証したブレンド⽇本酒『響花』を発売する。
 

『響花』は、SAKE HUNDREDが開発した『天⾬』(現在は販売終了)と『思凛』のブレンドで、山形県の奥⽻⾃慢を用いている。ブレンド比率を徹底的にこだわり、検証を重ねた結果、『天⾬』86%に『思凛』14%(『思凛』においては、異なるふたつのヴィンテージを半分ずつ使用)をブレンドすることで最適なバランスが生み出されることとなった。
 
【ブレンドの性格】
読者の方々には今更感があると思うが、ブレンドの意味というものを今一度考えてみたい。ワインを例にブレンドについて考えると、品種やヴィンテージ、味わいの調整や表現、販売面や政治的な面というのも挙げられる。ブレンドのタイミングも、発酵前なのか発酵中なのか、発酵後なのかでも効果や見るところが変わってくる。品質の均一化での目的もあれば、アートに近い技術的な側面もある。
 
酒類という視点でブレンドをもう少し拡張したとすれば、カクテルはどうだろうか。単純に混ぜるという視点では、例えば、安定化剤や調整剤はどうだろうか。ブレンドではなくミックスにあたるのかなど、普段何気なく使っている言葉でも考えてみると難しい。
 
生産者はブレンドによって何を表現したいのか、そして飲み手はそれをどう感じ取ればよいのだろうか。造り手だけでなく、飲み手側にもブレンドとは何かという問いかけはできる。
 
【ブレンドの良さを判断するには】
『響花』は日本酒のブレンドであり、日本酒はお米から造られる。酒米の違いや発酵のスタイルにより味わいに差があるものの、ワインのブドウ品種、例えばソーヴィニヨン・ブランとサグランティーノの差よりは味わいのスペクトルが狭いと思う。日本酒のような似たもの同士のブレンドは、方向性が同じだとブレンドの良さが感じにくい可能性がある。
 
ワインの世界でも、シャルドネのブレンドで似た表現がなされることがある。ステンレスタンクで発酵したものに、樽発酵したものをブレンドするタイプなどがそれに当たる。ソムリエや酒類に携わる方々ならブレンドによる効果を判断できるかも知れないが、ワインを知らない方にそのブレンドの良さを伝えるにはどうしたらよいだろうか。
 
【味と味わい】
先程から言葉遊びのような問いかけをしているが、官能評価もよくよく考えると難しい。味わいと言う場合、基本的な五味や香り(フレーバー)だけでなく「感覚的」な項目も含まれる。素材がシンプルなもののブレンドでは、味や香りよりも、この感覚に訴求するような構成が利いてくるように思われる。
 

 今回『響花』の試飲の機会を頂いたが、来席されたお一人が「奥行きがある」という指摘をされていた。まさにこの点がブレンドの妙が表れている点で、『思凛』に含まれるミズナラ樽由来のニュアンスが繊細に香ることで、みずみずしさを失わせずに奥行きを演出してくれている。
 

 樽のニュアンスというのは意外に存在感がある。多ければ樽の風味が支配的になるし、少なければ奥行きを感じにくくなる。この繊細さをとことん検証して突き詰め、足すことも引くこともできない「完全なる中庸」として『響花』の86:14というブレンド比率が生み出された。

【違いが分かる設計】
SAKE HUNDRED代表取締役の生駒氏は「商品一つ一つは蔵が違いますが、共通点があるとお客様からは言われています。それが、透明感とバランスです。蔵は違いますが、根底にあるコンセプトが同じですので、結果的には近い兄弟酒になっているかもしれない」と語る。
 
SAKE HUNDREDが生み出す日本酒には日本酒ごとの明確なコンセプトがあり、味わいや世界観など多岐に渡り細かくデザインがなされている。そして、『響花』は本来交わることのない完成された個性と個性のブレンドが、音と音が触れ合い増幅するように、日本酒同士が響き合うことで新たな味わいへと昇華していく様子を描いた日本酒だ。
 

試飲時の特別ゲストとして来席された「江戸前鮓 すし通」の横山氏もそのことに触れおり、「”おまかせで”とご注文いただいたお客様に何も伝えずにお出しすると、“これ、違うね”と分かっていただけるお酒」だと評していた。
 

実際に試飲をして感じたのが、似ているからこそ微かな違和感が大きく感じられるということだ。弦楽器でもチェロやコントラバスが加わることで音に厚みが出るように、方向性が同じでも響きに多様性があるおかげで違った表情を見せてくれる。
 
味わいにおいて設計やデザインというと「造られた」ものを感じてしまいがちだが、『響花』はその名が示す通り、奥⽻⾃慢が奏でる旋律を重ね合わせることで新しい音を生みだしている。日本酒同士という繊細な旋律だからこそ、その重ね合わせは少しのずれも許されない。徹底的にこだわった先に生まれた新しい調べ、それが『響花』の魅力ではないだろうか。

2023年11⽉8⽇(水)から2024年1⽉15⽇(⽉)までの期間限定発売だが、『響花』は日本酒ブレンドにおける一つの境地として飲み手に新鮮な驚きを与えてくれるだろう。
 
【参考文献】
山口 静子, 官能評価とは何か,そのあるべき姿, 化学と生物, 2012, 50 巻, 7 号, p. 518-524

担当:小川

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