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インタビュー IHGホテルズ&リゾーツ 日本&マイクロネシア マネージングディレクター 兼IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社 CEO アビジェイ・サンディリア氏

インタビュー IHGホテルズ&リゾーツ 日本&マイクロネシア マネージングディレクター 兼IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社 CEO アビジェイ・サンディリア氏

2025年07月10日(木)
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IHG サンディリア氏に聞く、IHGの大阪万博での展開とレガシー

 

左:IHG サンディリア氏
左:IHG サンディリア氏


Nana IHGによる大阪での今後の展開についてのプレゼンテーション、ありがとうございました。ではまず、Sandilya氏のご経歴についてお聞かせいただけますか。

Sandilya はい。まず、私の業務についてご説明します。私は現在、2つの役割を担っており、IHGの日本およびミクロネシア地域の責任者を務めています。具体的には、日本、グアム、パラオ、サイパンにおけるIHGのビジネス全体を統括しています。

グアムとサイパンには、それぞれ1軒のホテルがあり、パラオでは現在、開業に向けたプロジェクトが進行中です。ただし、私の業務の大部分は日本に集中しています。日本ではANAホールディングスとの合弁会社「IHG・ANA・ホテルズグループジャパン」を運営しており、私はそのCEOも兼任しています。

Nana ご出身はどちらになりますか?

Sandilya インド出身ですが、現在はオーストラリア国籍を取得しています。

Nana ありがとうございます。では次に、IHGが英国パビリオンにどのように関わっておられるのか教えてください。このような大規模な国際プロジェクトは、計画段階からかなりの準備期間が必要かと思いますが、いかがでしょうか?

Sandilya おっしゃる通りです。数か月前から、私たちは英国のビジネス・通商部と連携し、Expoおよび英国パビリオンへの支援体制を整えてまいりました。IHGの本社はイギリス・ウィンザーにあり、長い歴史を誇っています。

私たちの英国でのビジネスは1777年に始まりました。何百年もの歴史を有し、英国ビジネスコミュニティの一員として活動してきました。また、FTSE指数の創設メンバーであり、最初に上場された企業の一つでもあります。現在では、複数の証券取引所に上場しており、グローバル企業としての存在感を確立しています。
もともとはビールの醸造業から始まった会社で、20世紀初頭にホスピタリティ業界に転換しました。

Nana ええ、ビールの醸造会社だったとは初耳です!当時の社名は何だったのでしょうか?

Sandilya 「バス(Bass)」という会社です。Bass PLCはその後、パブ事業とホテル事業に分かれ、パブ部門はMitchells & Butlers PLCに、ホテル部門はSix Continents PLCを経て、現在のインターコンチネンタル・ホテルズ・グループPLC(IHG)に至りました。

これが英国を発祥とする私たちの原点ですが、それ以上に重要なのは、私たちがグローバル企業として、日本を重要な市場であると信じている点です。60年以上にわたり日本で事業を展開しており、日本の観光産業の成長に強い期待を抱いています。合弁パートナーとの協力関係を持つ国際企業として、万博のような世界的なイベントを支援することは、私たちの責任でもあると考えています。これが英国パビリオンと提携するに至った背景です。

Nana まさに意義深いご関係ですね。

Sandilya 英国パビリオンを支援することは、非常に自然な選択でしたが、それ以上に私たちにとってはグローバルな貢献の一環でもあります。現在、日本のパスポート取得率は20%未満といわれており、海外に行ったことのない多くの方々が、大阪で世界の文化や価値観に触れる機会を得られるという点でも、万博は非常に意義あるイベントです。

Nana まさに、一生に一度の体験ですね。前回の大阪万博からはもう55年も経っていますから、本当に特別な機会です。

Sandilya 私自身も、前回の万博以降に生まれましたので、参加するのは今回が初めてです。

Nana 今回の万博には、さまざまなテーマのパビリオンがあると聞いています。UKパビリオンでは、どのような体験が期待できるのでしょうか?

Sandilya 会場には150以上のパビリオンが並んでいます。国別の展示だけでなく、企業やアート、未来技術をテーマにしたものなど、多彩な内容です。英国パビリオンは「未来を創る(Come Build the Future)」というテーマのもと、創造的なアイデアがどのように未来を形作るのかを体験的に伝える内容になっています。詳しくは現地でのお楽しみですが、英国の魅力を伝えるだけでなく、人類の未来を共に創っていくというストーリーが込められています。

Nana では、IHGとしてのブランドメッセージや視点も反映されているのですね?

Sandilya はい、そうです。詳細は控えさせていただきますが、パビリオン内にはIHGのホスピタリティスイートが設けられており、VIPイベントなどがそこで開催されます。そのほかにも、随所でIHGらしさを感じていただけると思います。

Nana スポンサー企業や各国パビリオンの文化的な意義はよく理解できました。では、万博が地域経済に与える影響については、どのようにお考えでしょうか?

Sandilya グローバルイベントは、その開催地にとって非常に大きな意味を持ちます。たとえば、2019年のラグビーワールドカップや、今年9月に開催予定の世界陸上選手権などがそうです。万博は大阪の「巨大な広告塔」として、日本全体の観光地としての価値を再認識させる機会でもあります。

ビジネスの観点では、大阪では平均客室単価(ADR)が前年比で約30%上昇しています。街を歩いていても、御堂筋や梅田、難波など、いたるところで活気が感じられます。会場でも、皆さん笑顔で過ごしており、英国パビリオンのコミッショナー・ジェネラルも「毎日、人々が幸せそうにしているのを見るのが私の仕事です」とおっしゃっていました。今の時代だからこそ、こうしたポジティブな場がとても貴重だと思います。

Nana 素敵なお話ですね。では、IHGとして、今回の万博の取り組みを将来的にどのようなレガシーにつなげていきたいとお考えですか?

Sandilya IHGは日本で60年以上事業を展開していますが、ビジネスの成功だけでなく、「Journey to Tomorrow」という企業のサステナビリティ戦略にも関わっています。私たちは、地域社会に良い影響をもたらすことを目指しています。

ANAとの合弁事業を通じて、日本市場に対して深い理解と信頼関係を築いてきたという自負もあります。
夢洲の開発や統合型リゾート(IR)の進展とあわせて、万博は大阪にとって大きな変化のきっかけになるでしょう。訪日旅行者6000万人という目標達成のためには、日本全体で観光の多様化が必要です。私は、今回の万博がその第一歩になると信じていますし、大阪が今後さらに成長していくことを確信しています。

Nana 本日は貴重なお話をありがとうございました。

 


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