伊藤 淳氏
クラリス ウエディング ブランドエグゼクティブ/クラリス ウエディングプランナースクール校長/クラリス ウエディングプランナー研究所所長
〈プロフィール〉1997 年より㈱リクルートのゼクシィ事業部に8 年間在籍。ゼクシィ「茨城・栃木・群馬版」の立ち上げ責任者を経て、ホテルウェディンググループゼネラルマネージャーに就任。2005年退職し、「クラリスウェディングプランナースクール」を創設、第一線で活躍できるウエディングプランナーの育成に携わる。07 年に㈱リクルートと共同で現役プランナー向け研修を生み出し、ウエディングの打ち合わせオペレーションの改革を提唱する「明日からウエディング」を考案。さらにプランナーだけにとどまらず、ウエディング業界全体の活性化のためジュエリー業界のスタッフや現場キャプテンのトレーニングにも力を注いでいる。
この秋は例年以上に講演のご依頼を多くいただき、皆様に少しでもお役に立てているのであれば光栄です。先日は秋田市において東北B.M.C.の皆様に講演させていただきました。東北B.M.C. の皆様にはこのような機会をいただけましたことにこの場をお借りして感謝申し上げます。
今年はこのコラムの影響もありとくにホテル業界関係の方々からお声掛けをいただく機会も多く、ホテルのウエディング部門の方々とたくさんお話しをさせていただきました。私にできることは皆様にホテルウエディング復活のきっかけとなるヒントを提供し続けることだと思っています。
さて前回はホテルにおける顧客群を3 群に分類させていただき、第1 群である遠隔個人顧客、第2 群である法人顧客と比較して第3 群である近隣個人顧客である地元層に対してのブランド力が弱まっているのではという提言をさせていただきました。現在日本に存在するホテルの多くは、当初第3 群の顧客を重視し地元に愛されるホテルとして建てられたはずです。しかしながらここ10 年「Visit Japan」構想で急激に海外からの観光客が増加したことによる宿泊需要拡大などと企業業績の回復による宴会需要の拡大という外的要因により顧客群の構成は大きく様変わりし、ホテルは「地元に愛されるホテル」から「地元でも遠い(存在が)ホテル」になってしまっているのです。今回は「ウエディングにつながる将来顧客の囲い込み」と題し、とくにホテル離れしている若年層(20~ 30 歳代)のホテルファンづくりに取り組む必要性について考えてみたいと思います。