

トレンドレポート
コーヒーエキスパートの
専門性を高める
「UdC」コーヒー大学を東京で開講
最高レベルのエスプレッソの知識と技術を、徹底的な指導で必ず身につけてもらう
illy を導入している顧客に向けて、エスプレッソの専門的なスキルを提供するUdC(Università del Caffè、コーヒー大学)は、世界25 カ国で展開されている。アジアではソウル、上海、バンコク、クアラルンプール、バンガロール、ジャカルタに拠点があるが、そこに2015 年秋から東京のUdCが26 カ国目として加わることになった。UdC では、プロのバリスタや生産者を含むコーヒーのエキスパートに向けた教育が行なわれる。コーヒーの歴史から始まり、illy 製品のコンセプト、エスプレッソの概論、抽出技術、接客サービスを幅広く網羅したコースが用意されている。イタリア本国のUdC では、生物学的なアプローチから人体とコーヒーとの関係を教えるより奥深い内容の講義までフォローされている。
キーコーヒーが運営する東京のUdC は、illy の理念、エスプレッソの知識、そして一杯のおいしいエスプレッソを抽出するための技術向上に主眼を置いた講義からスタートさせる。これから回を重ねていく中で、段階を踏んでその内容を深めていく計画だ。
現在のセミナー内容はコーヒーエキスパートの方々を対象に、さらに専門性を高めてもらうことがUdC の目的。受講後はillyブランドを担うプロ中のプロとして活躍してもらうため、2日間の講座の中で一定レベルの技術が確実に身につくまで徹底的に指導が繰り返される。マニュアルに設定された数字に合わせてエスプレッソを抽出するといった形ではなく、各受講生が自らの感覚で最もおいしさを引き出せる方法を体に覚え込ませるのである。必ずできるようになるまで指導することから、講座は少人数制で行なわれ、受講後はUdC の修了証書が授与される。
UdC の修了生が専門性を持ち帰り現場全体のレベルの底上げにつなげる
さらに修了生が身につけた専門性は、illy を取り扱う現場において反復、継続される形を標榜している。そのためキーコーヒーでは、それができているかの確認も随時行なっていく。illycaffè 社のスタッフも主要拠点を直接訪ねて、問題が見られたら、その場で必要な内容について講義するケースもあり得る。
UdC を受講した施設、店舗のキースタッフが持ち帰った知識と技術を、ほかのスタッフたちに伝えることは、現場全体のレベルの底上げにつながるはずだ。現場における水平展開を続けることでさらなるエキスパートを育成し、それによって実力アップした新しいスタッフが次のUdC を受講する。そうしたプラスの循環も今後は出てくるだろう。キーコーヒーとilly の導入施設、店舗が一体となって、本物のイタリアンエスプレッソの味を守り続けるサイクルをまわし続けるサポート体制を、UdCによって構築していこうとしているのだ。
UdC の参加募集は、キーコーヒーのホームページ内に、受講申し込みもできるUdC の専用サイトを設置予定だ。
一杯のエスプレッソのために、コーヒーの大学まで創ってしまう情熱。illy が世界トップクラスのコーヒーブランドとしての地位を揺るぎないものとして獲得し続けられる理由は、この情熱の中にこそあるのだろう。日本におけるエスプレッソ文化を成熟させていくためにも、キーコーヒーが開催する東京のUdC は重要な役割を果たしていくことになるだろう。