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第2回 レストランウエディングの勝算

23. ~生涯顧客を作るタイムラインがひけるレストランの優位性~

【月刊HOTERES 2015年05月号】
2015年05月08日(金)
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23. ~生涯顧客を作るタイムラインがひけるレストランの優位性~

いよいよ第4クール、最終章となりました。これまでレストランがウエディングを手掛けることの優位性について、マーケットの移り変わりや成功モデルの事例から述べてきましたが、あらためて最終章では勝つために必要な六つのポイントについて触れておきたいと思います。

▶⑥連載のまとめとして
 2014 年5 月3 週号から隔週で連載を行なわせていただきました「レストランウエディングの勝算」も今号で最終回となりました。最終回については、今後のレストランウエディングに期待したいことを述べさせていただき、連載のまとめとさせていただきたいと思います。
 今、ブライダル業界にいる私たちがしなければならないことは、目の前のカップルが持つゲストへの思いをくみ取り、その上で「大切なことに絞り込んだウエディング」を本気で作り上げていくことです。レストランに限らず、ムダなものであふれた結婚式はこれからもどんどん淘汰されていくことになり、逆に本当に価値が見いだせるものについては、新たな支持を得ることができるようになっていくはずです。私たちはけっして価格競争だけではなく、こうした視点の下でサービスの品質を追求し続けていかなければなりません。
 婚姻組数が減っていく中、結婚式を供給する私たちが最も大切にしなければならないことは「ターゲットを常に明確にしておくこと」です。自社の結婚式をどんなカップルに供給したいのかをトコトン明確にしなければなりません。これまでにおいてもあたりまえに必要なことでしたが、今後はますます市場が縮小し、変化していくことをふまえると、絶えずターゲットを明確にし続けておかなければならないということです。それができなければカップルにとって本当に利用したいウエディングを作ることができず、効果的な集客導線も作ることができません。世の中的になんとなく流行ってきたから1.5 次会をやってみようとか、少しでも組数を伸ばしたいからとりあえず広告媒体に出稿してみようか、などの目的のない施策では状況はきっと変わらないことでしょう。
 これまでのブライダル業界は、参入障壁が低いとされてきた一方で、専門性の高さやご祝儀という安定収入に守られた「護送船団型ビジネス」だったと私は感じています。流行に従った施設作りや広告さえ行なっていればそれなりにやってくることができた、そんな印象です。しかし、もうそのような時代はとっくの昔に終わっています。今、気づかなければ3 年、5 年後に自分に跳ね返ってくるのがブライダルです。どれだけ流行りを取り入れても、どれだけ他社と同じことをマネても、自分たちらしさを見失ったウエディングではきっとカップルの支持は得られません。船が沈みかけているのに船室を掃除させている船長がいたとしたらとんでもない話です。目的地がどこなのか、航路は何を選択するのか、そもそも乗組員はみんな元気で乗務しているのか、自分たちの船は自分たちで操って行かなければならないのです。
 まずはお客さまに対して興味関心をしっかりと持つことが大切です。そして自分たちを俯瞰視しましょう。今まで見えてこなかった「あるべき姿」がきっと見えてくるはずです。あとはそれらを現実にするためのシナリオを描き、一つ一つ行動していくことだと思います。本連載が、すでに全力でレストランウエディングに取り組まれている皆さん、そしてこれから新しくレストランウエディングを目指していこうという皆さんにとって少しでもお役に立てれば幸いです。最後にこのような執筆機会をいただきましたホテレス編集部の皆様方に心より厚く御礼を申し上げます。1 年間本当にありがとうございました。

株式会社ブライズ・ファクトリー
代表取締役 森木岳明拝
Takaaki Moriki
プロフィール
2001 年に大阪市内の老舗総合結婚式場に入社。レストランウエディング部門を経て、営業、企画、人財開発と幅広い業務に従事。その後、06 年に㈱ディアーズ・ブレインへ入社後、人事・営業統括を担当。人材育成から専門性の高いブライダルオペレーション構築まで、ブライダル事業全般における幅広いフィールドを担当し、10 年に同社執行役員営業統括部長に就任。12 年には全国 16 会場の運営管理の下、全店取扱い結婚式2600 組・売上高 100 億円超を手掛ける。13 年 3 月より㈱ブライズ・ファクトリーを設立し現在に至る。

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