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第11 回 リック・増田の語学だけじゃない、押さえておきたいお国柄と食文化 

第11 回 フィリピン、ベトナム

【月刊HOTERES 2016年04月号】
2016年04月08日(金)
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オフィス・マスダ 代表
リック・増田
〈profile〉横浜生まれ、アメリカ国籍、ハワイ大学旅行産業マネジメントコースで主にホテルマネジメントとマーケティングを学ぶ。アメリカ在住20 年、1987 年から韓国グランドハイアットソウル副総支配人を含めアジアでのアメリカ企業勤務8 年、93 年ハイアットコーポレーション東京事務所ディレクターオブセールスを歴任。94 年オフィス・マスダ設立。 主にグローバル企業でのマネジメント、マーケティング、リーダーシップ、プレゼンテーション、ネゴシエーションスキル教育コンサルティング、バイリンガル人材教育、地域での観光活性化、観光地・ホテル・旅館の英語でのホームページ作成に携わり、最近ではホテル・旅館でのFB 関連の語学&異文化教育トレーナーなども務める。近年、経済通産省の2014 年度補助事業「ふるさと名物応援事業(地域資源海外販路開発支援事業)」でのプログラムコ-ディネーターも務めていた。

インバウンドが急速に増すなか、日本人のみならず外国人にも高度なおもてなしを提供する体制を整えることが急務となっている。しかしながら、自国以外の文化や習慣などは認知がされておらず、語学面で整っていたとしても、ゲストと接するための一歩が踏み出せていないのが現状である。本連載では諸外国のお国柄をはじめ、それぞれの国のビジネスマナー、食習慣などにフォーカスし紹介する。

第11-1 回フィリピン
〈国民性〉
東南アジアの中で最もフィリピン国民を際立たせているのが、“フィリピーノ・ホスピタリティー”(おもてなしの心)で、ほとんどのフィリピン国民の性格に共通したものとなっている。
 フィリピンでは80 以上の言語があると言われ、よく知られているタガログ語をはじめ、セブアノ、イロカノ、パンパンガなどがある。言語としては、政府は1978 年からタガログ語をもとにした“フィリピノ語”の普及に努めており、国語として学校で教えられ、通用度は現在50%程度だという。
 
〈接待・贈り物〉
伝統的にフィリピンでは手食(Kamayan)が行なわれていたが、スプーンとフォークを使った食事が一般的。
 右手にスプーンを持ち、左手にフォークを持つことが正式な食事のマナー。また、出された食事はすべて少しずつ残す。すべて食べ切ってしまうと、食事に招いたホストに料理が足りなかったという意味を与えてしまう。
 フィリピンはかつてスペインの植民地であった歴史があり、ホテルや空港、レストランなどではチップが必要になる。空港やホテルのポーターには荷物一つにつき、約10 ペソのチップを払うことが一般的。タクシーに乗った際には、料金の約10%を追加して支払う。レストランでは、料金にサービス料が含まれていることもあるが、含まれていない場合には請求額の約5 ~ 10%程度を支払うか、おつりの端数をチップとするのが主流。
 
〈挨拶・ジェスチャー〉
否定的な行動や言動については顔に泥を塗る結果となり、評判の低下だけでなく友好的な関係やその他のビジネスでの関係を台なしにしてしまうことになりかねない。
 フィリピンは実社会ではさまざまな不公平が存在するが、すべての人間が文明人として扱われるべきであるという基本的な考え方がある。そして相手にできるだけ合わせることがフィリピンの文化では重要になる。したがって最初は肯定的なコメントのみをするようにするのが無難となる。
 ビジネスでの訪問者は初回の自己紹介の際とこの後のミーティングでは握手であいさつすることとなる。その際の握手はしっかりとしたものである。
 
〈フィリピン料理〉
肉類では豚肉が最上とされ、次いでアヒル、鶏肉の順に珍重されている。食材をむだなく使うフィリピン料理にはレバー、胃袋、肺臓、腎臓、腸などの内臓を使った料理も多く存在する。

 フィリピン料理には粒コショウ、トウガラシなどの香辛料、ショウガ、タマネギ、トマトといった香味野菜が使われる。中国、スペインの影響を受けた料理にはニンニク、タマネギ、トマトを味付けの下地とするものが多い。
 フィリピン人は1 日に朝食、昼食、夕食、午前と午後の2 回の間食(メリエンダ)の5 回の食事を摂ると言われている。都市部の朝食では塩パン、農村部では炊きたての白飯か昨日の残りの白飯を炒めて作るガーリックライスが食べられている。
 朝食の付け合わせには、卵、干魚、タパ(漬け汁に付けた後に焼いた肉)、トシーノ(甘みのあるベーコン)などが出される。もち米を柔らかく煮てホット・チョコレートをかけたチャンボラートは、特別な日に出される朝食である。
 暑い気候のフィリピンではビールが愛飲されており、「サン・ミゲル」「ビア・ナ・ビア」などのブランドが存在する。ココナッツジュースもよく飲まれており、ところてん状に削った果肉を加えたり、果実や砂糖で酸味や香りを補うこともある。

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