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新連載 SHOKO 

GRAVITY  真の国際化を問う

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月30日(金)
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SHOKO
NY 在住
江戸川大学客員教授
慶應義塾大学大学院卒法学修士 感性学研究者
米国IFDA Chairman・SHOKONEWYORK 代表日本での大学生時代、東宮御所内にて当時の侍従長令夫人黒木氏に、皇族の礼儀作法と日本のお花を学ぶ。渡米して28 年。米国IFDA〈Established1993〉は、NY(US)所在。WPP/WMP 他資格発行機関(URL:http//www.ifda/info/)資格取得者4900 名。アメリカを拠点に活動。企業再生コンテンツ導入、企業コンサル、および教育コンテンツ事業を日本IFDA 本部で展開している。2016 年春からNY 研修を実施しているアカデミックな江戸川大学情報文化学科に招致され、客員教授として「感性学」の特別講義などを実施。25 年前に「フローラルデザイン理論」を世界で初めて発表。その後、お花をツールとした分析調査をし、「感性」学術研究の第一人者である。
日本問い合わせ先:honbu@sfds.co.jp
(URL:http//www.sfds.co.jp/

1776 年7 月4 日イギリス領から独立し、自国を創りはじめてからまだ240 年しか経っていないアメリカですが、経済大国として世界をリードしています。わたしたち日本人も、ターニングポイントのチャンスを「今」逃さず、一人一人がINNOVATOR となれば、真の国際化が実現するのではないでしょうか。

 

アイコンタクトって恥ずかしい?
 
 ニューヨーカーに限らず、欧米の方々は、アイコンタクトで気持ちが通じ合う文化があります。「ちょっといやよね」「なんてすてきなの」など、その場で共有した感情を、目で伝える習慣があり、それをアイコンタクトというのです。
 
 フードマーケットのレジなどで順番待ちをしているとき、途中で入り込むマナーの悪い人がニューヨークでもたまにいます。そのほとんどは、地元の生活に慣れない観光客。しかも、残念なことに、アジア系の人に多いのも特徴です。
 
 さて、その場面では、割り込みは決して周囲が見逃さず許しません。
 アイコンタクトで「なんて無礼な!」と気づいたもの同士が瞬時に気持ちを共有します。
 ショップスタッフか気づかなかったとしても、客の一人が注意すると、ほかの気づいている人々が、空気的に応援にはいっているので力強い味方の中でのクレーム。
 
「そうだ! そうだ!」と。ただ、観光客などにとっては、正規ラインも分かりにくく、単純にミスをする場合もあります。それでも容赦なく、「あなたの順番はちがう。あちらに並んで!」と言われます。生活をはじめると、こんな場面に出会い、経験を積み重ねてやっとニューヨーカーらしくなり、受け入れてもらえる時期がくるものです。
 
 レストランサービスと常に目が合うのは、こんな習性からあるのでしょう。つまり、アイコンタクトは、距離の離れた人の気持ちを察する手段の原点ともいえます。
 
 サービス係は、「動き」を観察するのではなく、「目」を見ているのです。
 
 自分が必要なのかな、自分の出番(サービス)を要求しているのか、…、目があった瞬間に、こちらに近寄ってタイムリーなサービスにはいってくれるのもニューヨーカーならでは。スマートなサービスです。
 
 アイコンタクトから握手、そしてハグ。せめて、アイコンタクトができるようになれば、日本人も国際人としてのベーシック編はクリアし、心の交流がはじまります。ハグなどのあいさつも、はじめは多少恥ずかしいかもしれませんが、触れ合うことは、医学的にも人と人の心が融合し、安心感を得て信頼も深まることが立証されています。人をじっと見てはいけませんと育った日本の教育。でも、国際化は少しずつ始まっていますので、前向きに実践してみてはいかがでしょうか。
 
 NY で生活をしていると、ときどき、日本の方々と出会うときがあります。
 ある日、知り合いのNELLO のレストランでお茶をしていたとき、隣に日本人らしきマダムがおふたりでランチタイムを過ごされていました。わたくしの性格というか習慣で、あいさつの意味でアイコンタクトを何度かトライするのですが、なかなか目が合いません。きっかけがなかなかつかめないまま、時間が過ぎていきます。日本人ではないのかしら…?と、耳をすませば、やはり日本人。服装も純日本スタイル。流暢な日本語でマダム会話。同郷なのに、なんだか寂しい気分だったことを思い出します。せっかくこの地でお目にかかったのですから、同じ日本人としてアイコンタクトくらいはしましょう! そんな気分でレストランを後にしました。

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