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第4 回 Part2 中村勝宏プレゼンツ ~美味探求~ 第4 回 Part2

ホテルメトロポリタンエドモント 統括名誉総料理長 中村勝宏氏× ㈱オフィス・オオサワ 取締役 大沢晴美氏

【週刊ホテルレストラン2017年11月24日号】
2017年11月24日(金)
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ホテルメトロポリタンエドモント 統括名誉総料理長 中村勝宏氏
ホテルメトロポリタンエドモント 統括名誉総料理長 中村勝宏氏
㈱オフィス・オオサワ 取締役 大沢晴美氏
㈱オフィス・オオサワ 取締役 大沢晴美氏

フランスの人材教育
人は商工会議所、物は政府


大沢 この辺がフランスの面白いところなのですが、世界中でフランス料理がブームになった一方で、フランス本国は一種の危機感を持ったんです。つまり、「世界中にフランス料理が広がっている。そうした中、本家本元の自分たちがトップでいるためにはどうすれば良いのか」と。

 それで「人材の養成が必要だ」となったわけです。あれは86 年だったと思いますけど、当時ロブションさんが3 ツ星の「ジャマン」でバリバリ活躍していたころです。そのロブションさんとパリ商工会議所が話し合いをし、フェランディに「単なるシェフではないグラン・シェフの養成コース」「単なるサービス人ではない支配人養成コース」として、『Ecole superieure(上級学校)』を作りました。いわば経営・管理能力を持った料理人とサービス人の養成に、いち早く乗り出したわけです。ここでパリの商工会議所について触れておきますと、アングロサクソン系の日本の商工会議所と異なる点は、商工会議所自身がさまざまな事業を行なう半官半民のような組織体であることです。

中村 組織としても独立し、立派な権限・権力を持っていますよね。

大沢 はいそうです。パリ市内近郊の大規模な見本市会場や、空港を運営しています。また、料理ではフェランディ、ビジネス系ではHEC(高等商業学院)、有名ブランド「エルメス」に就職するような革細工専門職、木工、コンピューター、写真など、現代でも各種スペシャリストを養成する学校を10 校ほど運営しています。ざっくりと言うと、フランスでは「人材育成は商工会議所」、そして「物についてはフランス政府」という住み分けが見られます。少なくとも、食関連でははっきりとしています。それでプロの料理人を対象としたトップクラスの上級学校というのを作ったんですね。そのころまだEU はできていませんでしたが、EU 設立でいろいろな衛生基準が変わるということを見越して、フェランディの4 階すべてを改装して上級者のための教室として作り変えたわけです。現在のHACCPに対応しており、日本からも料理学校の校長先生が何人も見学に訪れています。

中村 一度世の中に出て働いている料理人が、もう一度そこで上を目指して勉強しなおせる機会としての特別な教室を作ったわけですね。

大沢 ええそうです。もともとフェランディにはCAP(職業適性証)などを取る若い学生が1000 人、またそれとは別にプロの人が年に3000 人ほど勉強に来ていました。テーマ別の短期研修での再教育です。それらとは全く別に大学院のような位置付けでエリートコースを作った。15歳から料理の道に入った人たちより、むしろ遅めのスタートが多いようですね。まずは料理を基礎からしっかり学ぶのですが、担当教授がMOF、また毎月外部から星付きシェフたちがやってくるという環境です。もちろん、レストランの現場研修があります。そして卒業試験となると、料理だけではなく銀行の関係者や保険会社の人、建築関係の人など、さまざまな方々が試験官になります。「自分がレストランをオープンして運営する」というシミュレーションを課題とするんですね。ですから「上級学校」を卒業して、短期間で人気ビストロのオーナーシェフになっている卒業生もいます。パリで人気のビストロ、「Septieme」「L'epi du Pin」もその一例です。経営にも明るいシェフたちがここから出てきていますね。

中村 料理のみならず、レストラン経営に関わるあらゆるノウハウも教えているということですね。

大沢 そうです。ちなみに80 年代の一期生が「ロブション・クラス」と言われている人たちなんですけども、今やリヨンの代表的なシェフであるマチュ・ヴィアネさん(3 ツ星:Mer Brazier)も卒業生です。もともと料理人ではなかったんですけど、ここを出てこの業界に入った人です。

中村 当然、本人の素質、あとはいかに情熱を注がれるかによって、その方の才能が伸びるのでしょう。

大沢 ただ、マチュさんの場合、ガール・ド・リヨン(パリのリヨン駅)のサンドイッチから料理までのすべてを統括するシェフにいきなり就きました。まったくガストロノミーの世界ではないんですね。その後モンパルナスやリヨンの駅のレストランを経験し、そこから独立、MOF を取り、リヨンの名店を継いで2 ツ星をとるという異色のシェフです。そうした多彩な人材を輩出する学校を作って、トップのシェフを養成する動きが80 年代からあったわけです。

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