ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • 米岡 功二 × 松浦 誠  想いをかたちに  第4回  学びの成果と持続には、企業の本気度が試されている。
第4回 米岡 功二 × 松浦 誠  想いをかたちに 

第4回  学びの成果と持続には、企業の本気度が試されている。

【週刊ホテルレストラン2018年10月19日号】
2018年10月19日(金)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 
❒ ㈱カーポートマルゼンのケースについてお聞かせください。
 
松浦 カーポートマルゼンさまは創業期から成長期、安定・拡大期(第二創業期)とフェーズが移行する中で、体系だった指導法や教育体制の確立に、今まさに取り組んでいらっしゃる最中です。その考えや姿勢は非常に素晴らしく、将来の企業の大きな成長を感じさせるものですが、研修前のヒアリングの段階で、世代間のギャップから現場のコミュニケーションに課題を感じていらっしゃること、それが原因となり、接客スタイルの違いや意識の不統一感が生じていることが伺えました。
 
❒ 研修の内容について、具体的に伺えますか。
 
松浦 たとえばコミュニケーションを体感するワークとして、私はよく受講者の方に名札を作成していただきます(※ 1)。このようなワークを繰り返し行なうことで、ギャップの存在と原因を理解し、世代間のコミュニケーションを円滑に行なうための考え方や知識をお伝えしていきました。また学んでいただいた内容を現場で実践する仕組みを構築し、研修の度に共有し、ブラッシュアップするといったことにも取り組んでいただきました。
 
米岡 研修を重ねるごとに受講する社員が受身から自立型にシフトしていき、「何かを得よう」という積極的な姿勢が全員に見られるようになりました。これは研修による変化、そこから得られる成果を感じていった結果にほかなりません。そして「感謝のワーク(※ 2)」、こちらは噂を聞いていたものの、その想像をはるかに超える体験となりました。
 
❒ 研修の効果についてはいかがでしょうか。
 
米岡 今回の研修は、各部門の責任者を対象に行なっていただきましたが、研修後は目に見える形で、各部門の環境が変化しています。上司は部下の気持ちを理解することで、正しい情報収集と伝達が可能になり、部下は上司の変化を感じ、以前に比べ、互いに積極的なコミュニケーションを図ることが出来るようになっています。
 
 研修には私たち経営陣も参加させていただきました。ワークを彼らと一緒になって行なうことで、経営者の目線や考え方も感じていただけたのではないかと思います。
 
❒ 今回のワークのポイントについてお聞かせください。
 
松浦 20 名を対象に、月1 回、4 カ月間の研修でしたが、あえて2 月スタート組と3 月スタート組の2 班を作って研修を進めていきました。1 回の人数を限定することで、経営者、講師側からの情報収集が容易になるというメリットがありますが、そうすることで後発組は先発組の意識変化と行動変化を目にすることができ、関心を持った状態で受講いただけるようになります。また先発組の受講者も、後から共通の認識と話題を持った人たちがやってくるという期待の中、現場で堂々と振る舞うことができるようになっていきます。学んだことを発揮させる環境作り、そのための工夫というのも、研修の効果を持続するうえでは非常に重要です。
 
❒ 御社の今後の目標や、人材育成に関する部分を最後にお聞かせください。
 
米岡 弊社はTVCM の印象から、すでに全国へ店舗展開している会社と思われがちですが、実は実店舗は関西に5 店舗、関東に1 店舗のみ。主軸は、ネット販売にシフトしてきています。しかし、弊社が強みとしていきたい「ヒト」の魅力を訴求していくためには実店舗の役割は大きく、今後も主要地域には店舗展開を進めながら、期待にこたえる企業であり続けたいと考えております。テレビやネットの時代だからこそ、人と人との接点を大切に、培ってきた経験と新しい想像力を武器に、的確な判断を重ね、きびしい業界の中でも揺るがない「百年企業」を作り、お客さまに愛され続ける企業を目指します。
 
❒ 最後に松浦さんより一言お願いします。
 
松浦 一様に専門職が強く、職人気質な人材が多い企業においては、世代間のギャップから生じるコミュニケーションの問題が顕著に表れやすいと私は感じています。ただしそれは、職人気質の方々に問題があるわけでは一切ありません。そういった方々は意識することの優先順位が異なるだけで、納得いただければ素直に受け入れ、異なる職種の受講者さまより集中して研修に取り組んでいただける傾向にあります。納得いただくための重要な材料は、経営者を含めた、企業の本気度です。今までの貢献に心からの感謝の気持ちを伝え、今の時代で必要とされる人材を育成していくために、経営者を含めた幹部が先頭に立って変わっていく姿を見せることが最も大切だと思います。したがって、人材育成において多くの場面では、企業が試されているといっても過言ではありません。今回の研修を通じ、あらためて育成における企業の役割と重要性を、強く感じました。
 
❒ 本日はありがとうございました。

㈱カーポートマルゼン
取締役副社長
米岡 功二 氏 Koji Yoneoka
【プロフィール】1985 年10 月、大阪生。兵庫県立大学機械知能システム工学科を卒業後、2008 年にカーポートマルゼンに入社。営業販売部に配属。また業務のかたわら、テレビCM や雑誌など多くのメディアに出演。その後、経営学を学ぶため、りそな銀行が主催するマネジメントスクールを卒業。2014 年より、取締役として、本社で仕入業務や商品開発を担う。現在は副社長として、社内改革に取り組み、陣頭指揮をとっている。

㈱アーバンマネジメント
常務取締役 講師統括マネージャー
松浦 誠 氏 Makoto Matsuura
【プロフィール】1983 年大阪生。ホテルでの仕事にあこがれ、アメリカ・シアトルへ留学。帰国後ザ・リッツ・カールトン大阪へ入社し、レストランサービス業務にたずさわる。順調にキャリアを重ねる中、29 歳のときに脳梗塞を患う。失意の底に沈むも、兼ねてよりお世話になっているお客さまからの紹介で、㈱アーバンマネジメントへ講師として参画。以後毎年2000 名を超える受講者が参加する研修は、業態を問わず、人と接する喜びを体感し、自己表現を養うことで人生の質を向上させ、売上向上・離職率低下という成果につながると高い評価を得ている。ホテル勤務時代のお客さまからの言葉「あなたのホスピタリティを後世に残してほしい」を胸に、日々人生をかけて、プロフェッショナルに必要な感性を伝える。

週刊ホテルレストラン最新号
2019年08月16日号
2019年08月16日号
本体3,200円(税込)
【特集】なぜ今、SDGsが注目されているのか
【トップインタビュー】
インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG) IHG・ANA・ホ…

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE