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第160 回 ㈱トゥーコンパス 原 世一 氏 × ㈱フェイス 福永 有利子 氏 

Wプロフェッショナルズ  第160 回  フラット組織でスタッフもお客さまも笑顔であふれた飲食店目指す

【月刊HOTERES 2019年04月号】
2019年04月12日(金)
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福永 マニュアルに沿ったサービススタイルでの人材育成だけで終わらせるのではなく、それぞれの個性を大切に育んでくれる環境はとても素晴らしいことです。

基本のサービススタイルはそれぞれのお店のコンセプトにあわせて必要であると思いますが、スタッフの個性を大切にした接客スタイルは、お客さまや働く側にも楽しんでもらえるでしょうね。
 
原 平均点は不要です。それぞれに持っている個性を引き上げていけるのか、また個性を見つけ出してその部分をギュッと引き上げていくことができるかが大切です。お客さまへのあいさつでも一律に“いらっしゃいませ”ではなくても良いのです。
 
それよりも“こんにちは”とか“ウイッス”など、お客さまが心地良いと感じていただける対応の方が温かさを感じていただきます。そのためにも会社組織はピラミッドではなくフラットであることが大切です。
 
トップから“こうしなさい”と指令するのではなく、お客さまのために自分で考えお客さまに喜んでいただけることを、それぞれが率先して実践できる環境にするためには、常に組織がフラットな状態にあることが欠かせません。
 
例えば3 月3 日のひな祭りのときに、来店する女の子にケーキとジュースをプレゼントしたり、台風の日にご来店いただいたお客さまにはドリンクをすべて無料提供したりなど、その場の判断を皆で考えたり、個々で考えて実践する事がヒトが出来る優しさやおもてなしだと捉えています。前提として無謀とチャレンジの違いを理解することは不可欠ですが、基本的には自由にそれぞれが得意とするスタイルを提供すれば良いのだと思います。
 
福永 想定外の心地よいサービスは記憶に残ります。お店はもちろんですが、サービスを提供してくれたスタッフはより鮮明に記憶として残りますので、“あのサービススタッフのいるお店へまた行ってみよう”という気持ちになりますね。最近はAI が発達し、サービスの現場でも人手不足を補うためにロボットやシステムを導入するケースが増えていますが、原社長はどう感じておられますか。
 
原 そうですね。無人コンビニやロボットによるサービスなどが増えています。しかしながら、そうなるほどに人と人が触れ合う温もりが求められてきます。またロボットにさまざまな知識を教え込んだとしても、瞬間的な臨機応変な対応は人間にしかできないことです。そこに感動が生まれます。
 
感動は本当の意味で心のこもった“ありがとう”という言葉となり返ってきます。この“ありがとう”の一言が心から通じ合えること、それが飲食業ならではの喜びであり、明日への活力になります。2015年に上場した背景にも飲食店の人気がないところを変えたい! という思いからでした。いつも笑ってキラキラしている、毎日が楽しそうと感じていただける飲食店があることを、少しでも多くの方に気づいてほしいという思いです。お陰様で新卒採用も6 期生となりました。
 
 社名のトゥーコンパスはto(人、あるいは物事につなげる)、communication(食を通じて相手に伝えること、通じ合い)、passion(情熱、激しい感情)、stage(情景・舞台)の頭文字をつなげて作り上げたものです。食という場を介してお客さまに対してもスタッフ間においても家族のように接し、仲間の人生、心情に思いを寄せられる、そんな企業でありたいと思います。
 
福永 お話を聞いているだけで原社長の熱い思いが伝わってきますね。最近はインスタ映えブームから、どうしてもインスタ映えするシーンや商品を作ることだけに注力している飲食店も多いのですが、原点である人にフォーカスした運営は流行の波に左右されにくく、いつまでも愛されるお店であるために大切なことですね。
 
原 人にフォーカスという意味で生産者の方々とのつながりも大切にしています。大阪は粉もん、お笑いと思われがちですが大阪産もんで素晴らしい素材は沢山あります。その中で我々は生産者、消費者を繋ぐ中継者でありたく価値あるヒト・コト・モノを繋ぐかけはしを目指しています。
 
 時代、世代が進化・深化していく中で恩送りを志し飲食業界とかそんな枠も飛び越えて面白いコトを発信して行き先ずは大阪を盛り上げたいですね。
 
福永 地域に根差した経営はバルビバーニ様の原点でもありますね。最後に今後のご計画やお考えなどお聞かせ下さい。
 
原 これまですべて社内のマンパワーで取り組んできたのですが、枠を飛び越え社内、社外関係なく共感して頂ける方々とチームを組む事で更なるエネルギーが生まれ出しました。企画内容の一部ですが、アーバンリサーチとタイアップして各店のユニフォームを制作中です。スタッフも着たい、そしてお客さまも着たくなるようなユニフォームを目指しています。そのほか、外国人雇用と語学も学べる飲食店を目指して講師を招き週1回の英会話レッスンも行なっています。そしてこれからも愛・思いやりを大切に、仲間を大切に、好きなコトを全力に、人と人をつないでいくという気持ちを大切に地域に貢献する店舗づくりに取り組んでいきます。
 
福永 人と真剣に向き合い、地域の活性化にも人のつながりを大切に取り組んでいらっしゃる原社長の思いが伝わってきます。これからも飲食業界の改革と発展のためにさらなる成長をお祈りしております。本日はありがとうございました。

㈱トゥーコンパス 代表取締役社長
原 世一 氏

2010年cafeGARB アルバイト入社。
2012年cafeGARB 社員・店長。
2013年グランフロント GARB MONAQUE 店長。
2016年より株式会社ワナビー代表取締役。
2018年より、より想いを込めた
「株式会社to-Compass」に社名変更。

㈱フェイス
代表取締役
福永 有利子 氏

レストラン・ゲストハウスのウエディングプランナーから各現場の管理職としてマネジメントを担い、確実に業績を伸ばしてきた。2003年にウエディングプランナー養成スクール講師を始め、2006年から2015年まで大学にて非常勤講師として教壇に立つ。2006年堂島ホテル婚礼部長、2008年同ホテル副総支配人。2009年に㈱フェイスを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。現在は、全国のホテルやゲストハウスにて成約率向上を目的としたトレーニングや、集客戦略立案・実践支援などのコンサルティングに加え、会場のビジュアル改善や各種販促ツールの制作など、ウエディング事業の収益改善に向けた業務支援を幅広く行なっている。また、現役ウエディングプランナーの人材育成や専門学校生やウエディング業界への転職希望者などを対象としたスクールも開講。今後は、ウエディング業界を超えて、ホテル・ホスピタリティ業界にて、人材育成マネジメントを広く担っていく。2018年4月から神戸国際大学客員教授。著書 : 『ウエディングプランナーじゃない、アカンのは上司や! 悩める管理職のアメムチ19の育成術』

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