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2020年6月19日号 新しい視点「ホテルの価値」向上理論 ホテルのシステム思考

第402回 今を乗りきるイノベーティブ発想(新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ)

【月刊HOTERES 2020年06月号】
2020年06月18日(木)
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 そこで今回は特に新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた場合、その宿泊施設に対する顧客の印象を調査してみました(全国男女200 名に対するインターネットアンケート調査、2020年3 月弊社実施)。まず、調査結果をご紹介します。 仮の想定で、新型コロナウイルス感染症患者を救護目的で一棟を貸し切り提供した場合、その施設に対して今後利用を躊躇(ちゅうちょ)する顧客層が合計で約43%という結果でした。
 次いで、その後適切に除菌消毒を徹底して実施し対応した場合を見てみます。

 調査の結果、全館適切に消毒除菌作業を行なっていれば、利用を躊躇する顧客が合計で約25.5%と大幅に減少しています。ただ、それでも約4 人に1 人は利用を躊躇するという結果でした。
 さらに、全館適切に消毒除菌を徹底し、かつ「詳細な手順を公表し、丁寧に説明する場合」も想定してみます。

 そうしますと、利用を躊躇する人の割合は合計で約20.5%であり、約5 人に1 人はあえて今後使用したくないと答えるという結果でした。ただしここで注目したいのは、「やや使いたい」および「今後使いたい」とあえて積極的に支持しようとする顧客層が増加している点です。消毒除菌を徹底している場合(詳細情報は非開示)であれば、「患者支援に積極的な施設に対する応援」の気持ちの表れかと思われますが、全体の約24%は積極的に使用する顧客層である、そのような施設を応援する人々が現れます。ただしそれでも上記のとおり約25%の顧客層は利用を躊躇することから、差し引きで約△ 1%の市場を失っています。

 一方で、除菌消毒の作業内容を分かりやすく伝えている場合では、利用を躊躇する人の合計割合が上記のとおり約20.5%である一方で、「やや使いたい」および「今後使いたい」と積極的に支援し利用すると答えた人の合計割合は40%という結果でした。本調査では、「一時的」に「救護のため」に、「一棟貸し切り」でというのが前提となります。それぞれの前提を考慮外としますと、また回答結果は異なるものとは思われますが、例えば感染が危惧(きぐ)されるような顧客利用が懸念される場合には、ほかの顧客と接しないよう徹底的に配慮すること、人道的サービスを徹底し、かつその後の除菌消毒を迅速に実施すること、その除菌消毒の作業内容に関する情報提供を行なうことで、運営上のリスクを低減させることができるかもしれません。

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