ラグジュアリー業界のプライド
今回の2年ぶりの開催は、徹底したコロナ対策の中で開催されたという背景もあり、大きな問題も無く、無事終了しましたが、コロナのオミクロン株の流行がジワリジワリと忍び寄る中、ひるむことなく英断を下したおかげで心残る素晴らしいイベントになったのではないかと思います。
今回のイベント開催を通して感じた印象的なポイントは2つ。1つ目は、2年前に引けを取らない展示クオリティの高さ。2年間のコロナ禍で大きな損失を被った企業は事業規模の大小問わず数え切れないはずなのに、無論主催者側のブランディング基準値というのは設けられているとはいえ、出展されていた各国の観光局、企業ブースは一貫した高いブランディングクオリティを維持しており、そのプロ意識の高さが感じられました。
世界のラグジュアリートラベル、ホスピタリティ業界において顧客満足が売上高を左右する極めて重要な要素だということを深く理解し、「ラグジュアリー」という商品と世界観を売っている以上、一切の妥協も許さない絶対的な品質保持を実行しているのを会場の随所から感じ取れました。



そしてもう一つ今回の2年ぶりのILTMの会場から受けた印象は、各国の観光業やホスピタリティー業界は逆境や困難に負けることなく、むしろ、このパンデミックの間に着々と新しいサービスやデスティネーションの開発に着手し、再び戻ってくる観光客をいつでも迎えられるようにという前向きな姿勢で取り組んでいることに正直面食らいました。日本から参加した観光業のブースが数えるほどしかなかったため、この姿勢に日本から参加した我々にとっても大変勇気づけられましたし、大きな学びにもなりました。
世界のラグジュアリーホテルが一堂に会する場所でもある、ILTM (International Luxury Travel Market)。世界中のラグジュアリーホテルブランドの出展数も最大規模というこの祭典では、今年は1,000ブランドを超えるラグジュアリーホテル、世界18か国からバイヤー達が集い、そして、コロナ禍にも関わらず来場者で活気に満ちていた4日間に及ぶイベントは無事に幕を下ろしました。
今回は世界の旅先デスティネーションとして一際目を引いた「イタリア」、今まで謎めいていて、そもそも旅行に行けるの?と業界内でも非常に大きな注目を集めている新たな旅デスティネーションの「サウジアラビア (Visit Saudi)」、今年2022年11月にFIFAサッカーW杯が開催される「カタール」。自由に旅ができる日を心待ちにしている会場に来ていた多くの旅ファン達に夢と希望を与えてくれました。

