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【レポート】ワイン販売の可能性:渋谷ストリーム エクセルホテル東急「ブレンドワイン“ブリリアント”バレンタインプラン」

2023年01月23日(月)
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オードブルプレート(キングアイランドビーフ 冷製のモモ肉のロースト, ブルーチーズとレーズン, スペイン産生ハム)
オードブルプレート(キングアイランドビーフ 冷製のモモ肉のロースト, ブルーチーズとレーズン, スペイン産生ハム)
デザートのショコラテリーヌ(ホットスタイルとコールドスタイルの2種)
デザートのショコラテリーヌ(ホットスタイルとコールドスタイルの2種)

ブレンド・味わい:コンポーネントを考える
オーストラリアワインの歴史を辿ると、酒精強化が造られる時代が出てくる。ブレンドの3種類のワインを見たときに、その酒精強化に似た味わいを想像していた。しかし、実際は小池氏のお話にあったように、いかに渋さを押さえて飲みやすさを出すかという意図がはっきりと感じられる絶妙なブレンドになっていた。
 
ベースのシラーズのジューシーさを損なわせず、奥行きと飲みやすさを演出するポートの甘さが渋さをマスクし、ジューシーでありながらコクを感じる味わいに仕上がっている。更にそこにロゼを加えることで、酸味と甘さのバランスを整え、全体として甘さを感じさせないブレンドになっている。それぞれの持つ香り高さも順に感じられ、コクがありながら華やかな香りと味わい深さを楽しむことができる。
 
お料理との相性もよく考えられており、男性だと、ワインの飲みやすさと味わい深さからもう一品追加したくなってしまう。女性同士のペアで楽しむにも、プレートからデザートまで満足のいく内容になっている。ワインの持つしっかりとした味わいに負けない満足感がある。ブレンドも目の前で行ってくれるので期待感も増す。
 
ワインの知識がなくとも楽しめるのはもちろんだが、ワインをよく知る方にも、ブレンドの妙がしっかりと感じられ楽しめる内容になっている。ブレンドされるそれぞれのコンポーネントが活かされており、単体では成しえなかった味わいが表現されている。小池氏のセンスと試行錯誤を感じられる驚きと楽しさがそこにはある。
 
渋谷という街:エコシステム
今回のプランでは、渋谷という街もひとつの鍵であった。小池氏も所属は渋谷東急REIホテルであり、同じ東急内での交流や取り組みに対する柔軟性がこのプランを支えている。日本は海外に比べて企業間での協業やエコシステムといったことに課題を抱えている。人手不足が加速する今日、同じグループ内でこうした取り組みができるのは強みである。
 
また、渋谷に限らず都市開発によるジェントリフィケーションが今後も日本で見られるだろう。そうした際に、行政も含め、どのような街なのか、場所なのかというアイデンティティをしっかりと持ち、活かすことも重要になると感じる。コロナ禍を経て、消費者が場所や人、歴史といったものとの結びつきを求めているという研究結果もある。そのらしさを感じさせられるような取り組みとして、今回は渋谷という街だからこその挑戦があった。
 
このバレンタイン企画以外にも、「フラワーバレンタイン2023」コラボレーション企画が、セルリアンタワー東急ホテルと、渋谷ストリーム エクセルホテル東急で開催される。近いからこそ互いのシナジーを生み出せるような関係性が重要になる。
 

日常のなぜ?を考えるエスノメソトロジー的視点
筆者は流通業に身を置いていた時から、ワイン販売における手詰まり感を感じていた。だからこそ、冒頭で触れたようなマイオピアを打開する今回の渋谷ストリーム エクセルホテル東急の取り組みは応援をしたいし、レポートにも熱が入った。
 
生産者や流通業者に対するリスペクトを蔑ろにするのではない。造られたワインに対し、自分がより楽しむ方法で楽しむ。コンヴィヴィアルな楽しみ方こそ、今の時代に必要なことだと思う。そして、それを体現するために半年もの月日をかけ、楽しんでもらえる一杯をチームで考え抜いた小池氏と渋谷ストリーム エクセルホテル東急のスタッフに賛辞を贈りたい。渋谷ストリームという場所は、既存に囚われないワインの自由な楽しみ方を提案するには最高の場所でもある。
 
米国の物理学者リチャード・ファインマンは講義の中で「全宇宙は一杯のワインの中にある」という有名な言葉を残している。様々な学術分野からワインを見ることが出来るが、自然はそれを知らない。だからワインがなんのためにあるのかに立ち戻り、全て飲んで忘れようと語っている。願わくば、世界中の担当者から情報に細かいと思われている日本市場が、お酒の楽しみ方の自由度が高い市場となり、新しいトレンドが日本から発信されるような土壌が生まれて来ればと思う。今後も、渋谷ストリーム エクセルホテル東急には、こうした挑戦を感じられる企画を期待したい。

 

<「フラワーバレンタインステイプラン」概要>
■期 間:2023年2⽉3⽇(金)〜2023年2⽉14⽇(火)のチェックインまで。
■客 室:スタンダードダブルルーム(24.8㎡)
■料 金:1泊1室(2名さまご利用時)40,000円~(サービス料・消費税込、東京都宿泊税別)
■内 容:「1ダース(12本)のバラの花束」をデリバリーサービスロボット「Relay」がお届け、室内装花(室内テーブル)
■備 考:ブーケのお届け時間=18:00/18:30/19:00/19:30/20:00/20:30/21:00よりお選びください。
※ご希望に添えない場合もございますこと、ご了承くださいませ。
■ご予約:期間内20室・インターネット限定。ご宿泊の3日前17:00までの完全予約制。
URL https://www.tokyuhotels.co.jp/stream-e/stay/plan/index.html
■お問い合わせ: TEL 03-3406-1090(代表)
◆協 力:一般社団法人 花の国日本協議会 / フラワーバレンタインあいち実行委員会 /一般社団法人ジャパン・フラワー&コミュニケーションズ / 株式会社日比谷花壇

< 渋⾕ストリーム エクセルホテル東急>
〔所在地〕東京都渋⾕区渋⾕三丁⽬21番3号
〔アクセス〕東急東横線・⽥園都市線、東京メトロ半蔵⾨線・副都⼼線「渋⾕駅」C2出⼝直結
〔開業⽇〕2018年9⽉13⽇(⽊)
〔客室数〕177室
〔付帯施設〕Bar & Dining 「TORRENT」
〔公式WEBサイト〕https://www.tokyuhotels.co.jp/stream-e

【参考文献】
“EVERY WINE IS A BLEND!”, TONG, No.15, 2013
Eichinger, I., Schreier, M., & van Osselaer, S. M. J., Connecting to Place, People, and Past: How Products Make Us Feel Grounded. Journal of Marketing, 86(4), 1–16, 2022
Feynman, R., “The Relation of Physics to Other Sciences”, The Feynman Lectures on Physics, Vol. 1 Ch.3, Addison Wesley, 1989
Garfinkel, H., “Ethnomethodology”(山田富秋 訳(1987)『エスノメソドロジー―社会学的思考の解体』せりか書房)
Illich, I., “Tools for Conviviality” (渡辺京二・渡辺梨佐 訳(2015)『コンヴィヴィアリティのための道具』ちくま学芸文庫)
Levitt, T., “Marketing Myopia”, Harvard Business Review, July-August, 1960
Wondrich, D. and Rothbaum, N. ed, “The Oxford Companion to Spirits & Cocktails”, Oxford University Press, 2022
須田文明(2022)「テロワール産品を通じたルーラル・ジェントリフィケーション―イタリアのキャンティ」木村純子・陣内秀信 編『イタリアのテリトーリオ戦略』白桃書房
 
 
 
担当:小川

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