青木崇高氏登壇、シェリー樽熟成の入口を「The First Sip」で提示 12・15・18年の飲み比べも
写真:左より アーロン・ジェイ・マーティン氏, 青木崇高氏,吉田宏樹氏
ブラウンフォーマンジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:アーロン・J・マーティン氏)は、シングルモルトウイスキー「グレンドロナック12年」を中心に、同ブランドとして国内初となる一般向けイベント『The First Sip~はじまりの、ひとくち。~』を、2026年2月6日(金)から8日(日)までの3日間、House of OMOTESANDO(東京・表参道)で開催した。
イベント初日(2月6日)のオープニングでは、マーティン氏が日本市場での展開方針に触れつつ、2026年に蒸留所が200周年を迎える節目の年に「新たな一歩」となるイベントだと位置付けた。その後、スペシャルゲストとして俳優の青木崇高氏が登壇し、ウイスキーの楽しみ方や「最初のひとくち(The First Sip)」に触れた。後半はバーテンダーの吉田宏樹氏(神楽坂EDEN CELLAR)が進行し、グレンドロナック12年/15年/18年のテイスティングで、熟成による味わいの差を飲み比べで伝えた。
「一般公開の没入型」として入口を拡大 社長が語った“反響”と200周年の意味
写真:オープニングを飾るマーティン氏
冒頭、マーティン氏は今回の取り組みを「日本初となる一般公開の没入型テイスティングイベント」と説明した。単なる試飲の場ではなく、ブランドの特徴や熟成の考え方を、来場者が“体験の流れ”の中で理解できるように設計した企画だという。
また、開催発表後にチケットが短期間で完売したことにも触れ、想定を上回る需要があったとした。一般向けに“入口”を広げる試みとして、体験設計を前面に出したことが反響の一因になったとの見方を示し、「日本におけるブランドへの関心が高まっている証」と述べた。
また、2026年が蒸留所の200周年に当たることに触れ、「過去を讃えるだけでなく、未来を見据える」節目であると強調。日本市場でブランドをさらに高め、次の200年に向けたレガシーを築くための第一歩として、今回の体験イベントを位置付けた。
青木崇高氏が語った「最初の一杯」 “敷居の高さ”が“相棒”に変わるまで
写真:特別ゲストの青木氏
青木氏は、ウイスキーを初めて飲んだのは30代の頃で、京都の町家を改装したバーで先輩に勧められてアイラ系を口にし、「衝撃を受けた」と振り返った。
一方で当時はウイスキーに「敷居が高い」印象もあったという。しかし関わりが増えるにつれて、飲む行為が会話を生み、人との距離を縮める“コミュニケーションのツール”として働くことを実感し、いまでは「良き相棒として付き合っていきたい」と語った。
蒸留所を訪れるなら「その土地を感じたい」とし、朝の散歩やランニングで自然を味わい、夜は星空の下でウイスキーを飲む——という過ごし方のイメージも提示。さらに2026年の挑戦として、グレンドロナックに合うチョコレート作りにも意欲を示した。
吉田宏樹氏が“飲み比べの導線”を設計 外観→香り→味わいで理解を積み上げる
写真:それぞれの解説を務める吉田氏
テイスティングでは、吉田氏が「外観(色合い)→香り→味わい」の順で確認する手順を示し、まず12年から飲み進める流れをつくった。色合いの違いを入口に、香りと味わいへ段階的に焦点を移すことで、熟成差を比較しやすくする狙いがうかがえる。
12年では、シェリー樽由来の色合いに触れながら、若々しいオレンジの香り、ジンジャーやスパイス、ブラックベリーのニュアンスなど、香味の手掛かりを提示。飲み方としてハイボールの提案に加え、チョコレートとの相性にも言及した。青木氏も「解説を聞くとさらにイメージが広がる」と応じ、説明が味覚体験を補助する場面となった。
15年では「最低15年熟成の原酒をバッティングする」点に触れ、複雑さの増し方を説明。飲み方としては、同量の水を加えるスタイルやハーフロックなど、時間をかけて変化を見ながら楽しむ提案も含め、来場後の実践につながる導線を示した。
18年では、飲み比べ後、青木氏は「時間の感覚がなくなるぐらい深い余韻が心地よい」と述べ、「熟成を通じて、ここまで到達するんだという骨太さを感じた」とコメントした。
吉田氏は「12年、15年、18年それぞれ異なる表情と熟成による変化を是非お楽しみください。お好みの一杯を探す楽しさを体験ください」と述べ、来場者が“自分の好み”を見つけるプロセス自体を体験価値として提示した。
「樽の中を旅する」シアターとラウンジの二層構成 体験後の選択肢まで提示



イベントコンテンツは2エリアで構成。Theater Areaは“樽の中を旅し、熟成を追体験する”シアター型インスタレーションで、体験後に「グレンドロナック12年」を味わう“最初のひとくち(The First Sip)”へ導く設計とした。
Lounge Areaではシアターの余韻に浸りながら、15年/18年の飲み比べセット(入場料に含む)に加え、12年/15年/18年をストレート、ハイボール、オリジナルカクテルなどで提供(※一部別途料金)。提供スタイルを複数用意することで、初心者から愛好家まで“好みの入口”を選べるようにしている。
シェリー樽熟成を核に据えた味わい設計 12年を“入口”に据える理由
グレンドロナックは、スペイン・アンダルシア地方から取り寄せたペドロ・ヒメネス樽とオロロソシェリー樽を用い、時間をかけて熟成するスタイルを特徴とする。シェリー樽へのこだわりが、豊かな味わいや華やかな風味につながるという。
会場のシアター入口でも、ブランドの歴史やシェリー樽へのこだわり、ペドロ・ヒメネネス樽/オロロソ樽の特徴、熟成による香味変化などを紹介し、体験の理解を補助する導線を用意した。
飲み比べの出発点となった12年は、シェリー樽熟成シングルモルトの「入門」として位置付けられており、“最初のひとくち”を日常の飲用シーンへつなげる入口商品としての役割も担う。
核は“100%シェリー樽”という説明力
Q1:グレンドロナックの核である「シェリー樽熟成」を、ホテルF&Bの現場で“説明できる言葉”にすると、最も重要なポイントはどこになりますか。
最大の要点は「シェリー樽100%で熟成を完結している」ことです。
スコッチモルトの多くはシェリー樽を熟成に用いるものの、複数の樽を組み合わせるケースも少なくありません。その中でグレンドロナックは、熟成をシェリー樽のみで行う点が特徴です。ホテルの料飲現場では、まず「シェリー樽を使っている」ではなく「シェリー樽100%」と言い切れることが、差別化の説明として最も分かりやすいポイントになります。
もう一段踏み込むと、香味の違いは「シェリー樽100%」という共通項の上で、2種類のシェリー樽(ペドロ・ヒメネス/PXとオロロソ)の配合比率と、熟成年数によって生まれます。つまり、同じ“シェリー樽100%”でも、樽の組み合わせと年数の違いが、フレーバープロファイルの違いとして現れる、という説明が軸になります。
ホテルバーでの提案は“入口の複線化”
Q2:日本のホテルバーなどで提供する際、おすすめのカクテルや飲み方は?
提供の軸は「シェリー樽100%」を共通テーマにし、ストレート系とカクテル系で入口を分けるのが現実的です。
まず、グレンドロナックのラインアップはすべて「シェリー樽100%」という一貫したテーマを持つため、バーのメニュー上でも“共通コンセプト”として提示しやすいのが強みです。一方で違いは、熟成年数に加え、PXとオロロソの配合比率が異なることで生まれます。標準ラインでは、12年・15年がPXとオロロソのブレンド、18年はオロロソ樽のみという整理が、説明の起点になります。
飲み方の提案としては、基本のストレート/加水/ハイボールを軸に、カクテルを“ホテルバーの定番”として組み込みやすい以下が候補です。
- ・Rob Roy(推奨):ブランドの個性(シェリー由来の香味)を、クラシックカクテルとして説明しやすい。
- ・Spanish Highball(ハイボール+シェリー+オレンジ):香りの入口が分かりやすく、ライトに楽しみたい層へ提案しやすい。
また、提供意図を明確にするなら「飲み比べ」の見せ方が有効です。共通項は“シェリー樽100%”で、違いは配合比率と熟成期間。フルーティーさ、スパイシーさ、チョコレート感など、強調される要素が変わるため、飲み比べて“自分の一番好きな一本”を見つけてもらうという提案が組み立てやすくなります。
運用で勝つ設計:フライトと定番カクテル
Q3:シェリー樽熟成をテーマにした体験を、ホテルバーで“常設”や“定番メニュー”として運用するなら、どの設計が現実的だとお考えですか。
「常設フライト(飲み比べ)+定番カクテル」をセットにする設計が、運用負荷と訴求力の両面で現実的です。
常設運用の基本は、ストレート、加水、ハイボールなど、ゲストの好みに応じて楽しめる導線を確保することです。 その上で、テーマ性(=シェリー樽100%)を伝える“体験”としては、12年/15年/18年のフライトを定番化すると、説明の軸がぶれにくく、スタッフ教育もしやすくなります。
カクテルは、複数展開よりも、まずは定番を1~2本に絞る設計が現実的です。例えば、Rob Royを「グレンドロナックの定番カクテル」として固定し、入口としてSpanish Highballを提案できるようにすると、オーダー導線が明確になります。
つまり、
- **基本(ストレート/加水/ハイボール)**で自由度を確保し、
- **フライト(飲み比べ)**でテーマを体験に落とし、
- **定番カクテル(Rob Roy等)**でメニューとして回す、
という三層構造が、常設・定番化の設計として運用しやすい形になります。
イベント概要
- イベント名:The First Sip~はじまりの、ひとくち。~
- 会期:2026年2月6日(金)~8日(日)
- 時間:2月6日(金)17:00~21:30/2月7日(土)13:00~21:30/2月8日(日)13:00~21:30(最終入場20:30、事前予約制)
- 会場:House of OMOTESANDO(東京都渋谷区神宮前5-34-8)
- 入場料:1,000円(税込)※グレンドロナック12年・15年・18年のテイスティング/スナック含む(ラウンジの一部は別料金)
- 予約受付期間:2026年1月16日(金)~2月8日(日)20:30まで※予約受付終了
商品概要
シェリー樽熟成シングルモルト「グレンドロナック」
1826年創業のハイランドモルト。スペイン産シェリー樽熟成を核に据え、ペドロ・ヒメネス樽/オロロソ樽などの個性を生かして香味を組み立てる。マスターブレンダーはレイチェル・バリー氏。
味わいの軸(4つの表情)
- フルーティー:濃い色の果実、オレンジ、木苺など
- エレガント:スパイス、ダークチョコレート、焙煎コーヒー豆、ワインを思わせるトップノート
- リッチな力強さ:土っぽいタバコ、レザー
- フルボディ:レーズンを煮込んだフルーツのような豊かな味わい、包み込むような口当たり
主なラインアップ
- グレンドロナック 12年
蒸溜所の特徴を体現したバランスのよいシェリーの味わい。シェリー樽熟成シングルモルトの入門に。
おすすめのマリアージュ:ドライフルーツ、レバーパテ、鴨肉、サーモン など
- グレンドロナック 15年
エレガントで複雑。贅沢な深みとフルボディな豊かさ。
おすすめのマリアージュ:チョコの入った前菜、魚貝類
- グレンドロナック 18年
オロロソシェリー樽のみで熟成。濃厚で芳醇、ベルベットのようなフィニッシュ。
おすすめのマリアージュ:熟成チーズ、ダークチョコレート、ベリー系フルーツ
- グレンドロナック 21年
「シェリー樽の極み」とされる21年超長期熟成。格別な豊かさと洗練。
おすすめのマリアージュ:ドライフルーツ、ダークチョコレート/または何も合わせず本来の味で
グレンドロナック:公式ホームページ
ブラウンフォーマンジャパン株式会社:公式ホームページ
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取材・文:オータパブリケイションズ 松島
Mail:matsushima@ohtapub.co.jp




