



日本版IRを推進するためには
立地する地域との共存が必須条件
PART 3の「海外カジノオペレーターによる『日本版IRへの期待』」では、海外の主要なIRを展開する4社のカジノオペレーターが、各社の事業内容や日本版IRに対して提案するイメージなどについてプレゼンテーションを行なった。
メルコリゾート&エンターテインメント上席副社長のジェフリー・S・デイビス氏は「最も重要なのは、IRが立地する地元の人々の話を聞くこと」と述べた。「日本におけるIR事業の展開にあたっては、地元自治体とも協力関係を結びながら、世界から多くのお客さまに来ていただくお手伝いができると考えています。私たちは日本からインスピレーションを受けたIRをデザインした、日本らしいリゾートを構想しています」
ギャラクシー・エンターテインメント・グループからは社長のマイケル・メッカ氏に代わって、日本代表インターナショナル・ディベロップメントの伊佐幸夫氏が登壇した。「日本版IRのコンセプトは日本の経済を活性化させること。そのことを考えても、観光が産業として認められるようになったことは大きい。また、IRの収益の一部が社会に還元されるのは素晴らしいことだと思います。新たな雇用創出、社会インフラの向上、世界的なつながりができるIRが日本に誕生することの価値を、ほとんどの日本人が理解していないのは残念。IRの成功は地域との共存によって達成されます。世界がうらやむような日本版IRの実現に向けて、私たちも取り組みを進めていきたいと思います」
日本MGMリゾーツ代表執行役員兼CEOのエド・バワーズ氏は「MGMインターナショナルはカジノ事業者として始まったが、現在はエンターテインメント界のリーダーとして展開しています」と述べた。「日本版IRのビジョンについては、これまでの開発とオペレーションの経験値を生かして、日本と調和するエンターテインメントの形を推進しようとしています。エンターテインメントの創造は、パートナーシップが大切な要素となります。日本におけるIR開発も、パートナーシップが重要な柱となります」
ラッシュ・ストリート・ゲーミング最高財務責任者のティモシー・ドレーコフ氏は「日本におけるIRについて、私たちは地方での開発を考えています」と述べた。「東京、大阪などの人口密集地でも、日本版IRは成功することができると思いますが、地域への影響や規模の問題などを考えると、地方での展開の方がより成功の可能性が大きいのではないかと見ています。私たちはアメリカにおいて地方立地型リゾートについての成功事例を持っていますし、文化的、デザイン的にも日本の地域の特性を生かしたIRを創る柔軟性があると自負しています。人材についてもローカル採用を行なっていきたいと思います。地方にこそ日本版IRのチャンスが広がっていると感じています」