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第59回 “風の人”山下裕乃の「THE SHARE」 

第59回  ついに友だちをレンタルする時代に ~ホスピスの精神で病んでいる若者たちを救ってほしい~

【月刊HOTERES 2019年01月号】
2019年01月25日(金)
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 なぜ、このようなことになってしまったのでしょうか。個や我が強くなり、自分の性格に合わない人と交流することに煩わしさを感じているのでしょうか。高校生たちの普段着の姿を見ても大半、仲間同士は同じような色合いやデザインの服を着て、似たようなヘアスタイルをしています。まさに虫たちが環境に溶け込んで捕食者から逃れている「カムフラージュ」のようです。友だちらしき人たちとお付き合いするために、おそらくリーダー格となる人が好んでいる色や模様に合わせて、見た目上の友だちを装っているような感じです。虫たちが身を守るために繰り広げている「保護色」や「隠蔽色」に近いものを感じます。
 
 電車の中でも友だちらしき人が先に降りると、これまでの表情はどこへやら。ドンと落ち込んだ顔に豹変している子もいます。バイバーイと手は振っているのですが、眼は笑っていません。ズシンとした鉛のようなものが潜んでいるように感じることもあります。心から友だちとして受け入れていない、そんな感じがしてならないのです。
 
 背景には両親共働きや兄弟がいないなど、家に帰っても誰も話す人がいなかったり、複雑な家庭環境に育ち、親も含めて誰も信じられなくなってしまったのかもしれません。またインスタなるものが登場し、とりあえずそのフレームの中に自分も同居していないと、“あの子、友だちがいないんだ”と後ろ指を刺されることを恐れているのかもしれません。さまざまなものが発展していくことは、ビジネスの場面やそのほか日常において便利になったかも知れませんが、その一方でその発達によりますます心がむしばまれている人が増えているという認識を持たなければならないのかも知れません。
 
 といっても“友だちがいない”という現状を何とか改善していかなければ、活力、国力は高まらないどころか、被害妄想の思い込みによる突発的な犯罪など、若年層を中心に増えてしまうかもしれません。2019 年1 月1 日、東京・原宿「竹下通り」をガソリンを積んで暴走した事件のように。人為的な事件ももちろん犯罪ですが、それ以上に無差別に人を殺めたり、傷つけたりすることは許せないことです。太古の時代から命のバトンを受けて今を生きている者が、見ず知らずの人の瞬間的な感情で次世代につなぐバトンを奪れます。このようなことを軽減するために、私たち大人が全力で立ち向かっていかなければなりません。
 
 だからこそ、ビジネスになるからといって「レンタル友達業」を横行させてはいけないと思うのです。それを生業している方には申しわけありませんが、商売として事業を継続するのであれば、レンタルではなく心許せる真の友だちを作るための支援活動の一環として取り組んでほしいと願います。
 
 ホテルも然りです。心病んでいる人たちに手を差し伸べる、まさにホスピスの精神で何人も心広く受け入れて、皆さんの笑顔と優しさで1 人でも多くの若者たちを救ってほしいと思います。“ホテルが私のお友だち”であればどんなに心強いことでしょう。

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