アナログかデジタルかの二者択一ではなく、人間の弱いところをデジタルが補完する
甲斐 まずは内山さんにお聞きしたいのですが、お客さまにとって、ハイアットセントリック 銀座 東京の魅力はどんなところにあると感じていらっしゃいますか。
内山 リピーターの皆さまの声を総合的にまとめてみると、「居心地のよさ」が何よりの魅力として捉えられていることを感じます。そこで、居心地のよさがどこから生まれているのかを考えてみると、館内のアートワークをはじめさまざまな要素が絡み合う中で、究極的には「人」なのだなとオープンよりずっと思っています。どのような姿勢で現場のスタッフがお客さまと対峙しているのかによって居心地の良し悪しが決まってくる。ハイアットセントリック 銀座 東京が提供している堅苦しさのないサービススタイルがその魅力を形作っていると考えています。
「家族や友人を迎えるように、お客さまをお迎えしよう」とよく言っていて、お辞儀ではなく、アイコンタクトと笑顔、ハグや握手で歓迎する形を私たちは選んでいます。
甲斐 私はホテル業界についてはわからないことが多く、まだまだ素人目で見ていることが多いのですが、マーケット・リサーチのプロとして見た時、富裕層の方々はおそらくいろいろなホテルに宿泊して、ファシリティーについてはさまざまなバリエーションを経験し、それが一巡して人を重視した空間を求めるようになるのではないかと思うことがよくあります。私はそれこそがCRMの活躍できる環境だと考えています。つながりというものはもちろん人の気配りによって生み出されるものですが、人は誰でもうっかり忘れてしまったりするものです。その部分を機械やコンピュータがサポートすることで、高いレベルでのCRMが築かれると思うのです。
アナログかデジタルかの二者択一ではなく、アナログの弱いところをデジタルが補完する役割分担によって、人のあたたかみを軸としたサービスのスタイルをより高度化できるはずです。そこがホテル運営には必要不可欠になっていくのではとも考えています。