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089 岡村衡一郎  サービス・イノベーション-Part2

089 みんなの商品として磨かれているか

【週刊ホテルレストラン2018年05月25日号】
2018年05月25日(金)
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 竹林やおたふく、金魚や禅など、これらの「アーティストルーム」製作過程は、社外へのブランド発信の媒介になっただけでなく、社内の何を目的にどんなことに取り組んでいくのか、という仕事を進める判断基準の共有を促進しました。日本の美意識を表現した朝食にするには、おもてなしは、カクテルは、イベントは、リブランドのコンセプトは、それぞれの商品・サービス改良のガイドになっているのです。
 
 みんなの商品になるか。特定の人の商品になってしまうのか。前者の方に商品を位置付けた取り組みならば、商品は広がっていきます。
 
 パークホテル東京の「アーティストルーム」は、みんなの商品です。空室があるときのアップセルは、ホテルのブランドを伝える格好の機会ですから、宿泊スタッフの説明に熱が入ります。作成に加わったアーティストは、自分のホテルのようにPR を続けて、定期的にメンテナンスに訪れます。
 
 朝食や夕食メニュー開発は、料飲部門だけの仕事ではありません。お客さまの反応を知る宿泊スタッフも携わります。そして、2 日間で1400 人、一人当たりの入場料が2000 円のアーティストルームの内観イベントは、企画から集客、当日の運営から反省会まで、さまざまな人がかかわって行なわれます。
 
 パークホテルに関係する人、一人一人の愛着が、商品になり、お金に変わるというサイクルが回っているのです。パークホテルの商品は、開発をした人だけのものではないのです。宿泊支配人の小野さんの愛は、お客さまを驚かせる愛です。料飲部門の藤川さんは、美しさの追求に愛を持っています。企画支配人の鈴木さんは、みんなの力を合わせての負けないポジションづくりが愛の根底に流れています。彼らの愛が商品化、商品に化けたものへの支持が、お金に変わる。そのお金が給料に変わり、自分たちの命そのものを充足させています。
 
 かかわっている人の命・愛・商品・お金の善循環サイクルが回っているからこそ、みんなの商品としての拡充が続いていくのです。商品をお金に変える行為と一人一人の存在から沸き起こってくる愛を注ぐ行為に対し、経済と道徳という線を引いた考えでは、商品はお金を得るだけの道具に成り下がってしまいます。そしてお客さまの感動を生みません。
 
 必要なものをほぼそろえているお客さまが、ほとんどを占めている日本市場での商売は、買い替えるだけの理由がなければ、選んではくれません。ホテルも複数行っている場所ならばおおよその泊まる場所は決めています。購買経験豊富なお客さまへの感動は、命・愛・商品・お金の善循環サイクルから生まれます。商品は誰かが誰かのことを考え抜いて愛を形にしたものという原点がより大切になっていきます。

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