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連載11 ジャン・メデゥサン  ニース料理のレシピ紹介 

連載11 冬に向けて作る保存食

【週刊ホテルレストラン2018年08月10日号】
2018年08月07日(火)
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南フランス ニース名家出身で、パリ育ちのジャン・メデゥサン氏が、独自の体験と家族エピソードを交えた料理に関する書籍を発表する。本誌では、2018 年4 月からメドゥサン氏のニース料理レシピをエピソードとともに連載で紹介していく。

ジャン・メデゥサン
Jean Medecin
〈Profile〉1971 年フランス パリ生まれ。父はオペラビジネスの実業家、母はオペラ歌手。南仏ニースのジャン・メデゥサン通りはかつて同市長であった祖父の名に由来。叔父ジャック・メデゥサン氏は料理本を執筆し世界的ベストセラー。食文化や料理を愛する過程環境に育ち、幼少期よりたびたび家族とともにニース料理に親しむ。金融ビジネスを手掛けるかたわら料理本を執筆。
Instagram NICE_MEDECIN

 
 ニース伯爵領の自然の恵みと言えば、3 つ、野菜、果物、花があります。それで、ニース料理は季節感がありよく野菜を使うのです。では食道楽は、野菜の少ない冬をどうやって過ごすのでしょう。その間だけおいしいものを絶つことを余儀なくされるのでしょうか。そんなことはありません。秘訣は、野菜や果物が旬で最もおいしい夏の間に作る保存食にあります。私の家では夏にかなりの時間を割いてさまざまな食材を保存していました。殺菌処理というごく簡単でしかもたいへん自然な方法を使ってです。保存料や味覚増進剤をたくさん含む加工食品と比べてはるかにナチュラルなのです。こうした保存食の容器の定番は「ル・パルフェ」というガラス瓶です。誰もが家庭で慣れ親しんでいる象徴的グッズと化していて、レストランの中にはこれに料理や飲み物を入れて出すところもあります。
 
 言うまでもなく、すべての野菜を保存するのが目的ではありません。カボチャ類のように風味の高い冬野菜もたくさんあります。しかし出番の多いトマトのような野菜などは、良い状態で保存したものに代わるものは何もありません。未熟のまま収穫され輸送段階で完熟させられて販売される冬のトマトは、味がしません。夏の間にトマトを丸ごと瓶詰めすることで、味のある(旬のトマトを買って作るため)安価で優れた食材を手元に置くことができるのです。
 
 夏には生のトマト、冬には瓶詰めの丸ごとトマトを使って、ニースの伝統的なトマトソースである「ソスン」を準備します。このソースは、ピザ生地に塗るソースとして、または料理の付け合わせとして使えます。ソスンと極めて相性がいいのはニョッキです。これはジャガイモをベースにしたパスタで、トマトソースの軽い酸味とジャガイモの甘味が抜群に合うのです。ニョッキはまた、上にトリュフを散らして食べるのもお勧めです。その優しい味がトリュフの繊細な香りをよく生かしてくれます。
 
 数カ月前にご紹介したラビオリやキクと同じで、ニョッキは一つ一つこしらえるので時間がかかります。円柱状にしたり、フォークの背を使って丸めたり、親指で押してへこませたりとパスタに飾りをつけるからです。逆に生地自体を作るには時間はかかりません。手づくりのニョッキを食べると、口の中で文字どおりとろけるような食感を味わうことができます。その口どけの良さは、大量生産されたニョッキにはとうていまねできません。ですので、前菜用に少量でも、ニョッキを手作りすることを強くお勧めします。少量といってもあまり減らし過ぎないようにしてください。というのは、こんな思い出があるからです。8 歳のとき両親や祖母と、レマン湖畔のスイス側の豪華ホテルに数日間滞在したときのことです。前菜にニョッキを注文しました。すると、銀製の美しい容器が運ばれてきて、その中にはニョッキが三つだけ鎮座していたのです。そのときどんなにがっかりしたことか。いくら前菜でも、上品なそのホテルは、もう少し量を増やしてもよかったのではないでしょうか。

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