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街場のオーナーがホテルのチーフ兼任。「RINGOKAN」篠原恒治氏が見つけた、これからのバーとカクテルの在り方

【週刊ホテルレストラン2019年07月12日号】
2019年07月12日(金)
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カクテル「ロンウーモ」はバカルディ・レガシー日本大会ファイナルに進んだ篠原恒治氏の代名詞的存在。
カクテル「ロンウーモ」はバカルディ・レガシー日本大会ファイナルに進んだ篠原恒治氏の代名詞的存在。
“Mr. ダンディー” の異名をとる篠原氏。最高のスマイルでゲストを迎える。
“Mr. ダンディー” の異名をとる篠原氏。最高のスマイルでゲストを迎える。
カクテルにはそれぞれ、凝った趣向が施されている。「HOTERES」の文字をあしらったカクテルでもてなしてくれた
カクテルにはそれぞれ、凝った趣向が施されている。「HOTERES」の文字をあしらったカクテルでもてなしてくれた

ブランド力の強弱を推し量るときの一つの物差しに、想起できる言葉の数やその内容というものがある。その男は「静岡・掛川」にいて、「Mr. ダンディー」の異名を取り、シグネチャーカクテルは「ロンウーモ」。そして店舗名は「RINGOKAN」。これだけ出てくると、彼こそがブランドとなっているのが分かる。
 
自らの仕事を天職と語る篠原恒治氏は、バー「RINGOKAN」のオーナーバーテンダーだ。自らの店舗を持つ一方で、地元の掛川グランドホテルでは、チーフバーテンダーも務めて1 年半がたとうとしている。街場のバーオーナーがホテルバーにも勤める意義を篠原氏に聞くと、ホテルにとってのバーテンダーの在り方を再認識する機会にもなることが、分かった。
 

 
■篠原さんと言えば、バカルディ・レガシー・カクテル・コンペティションが印象的でした
 
もともとはコンペティションには関心もなく、むしろ否定的でした。しかし、出てみると年代も地域も違う人たちとの交流が生まれて、たいへん刺激的でした。もちろん最終的に一番になれないのは悔しいですから、どうすれば地方の個人店で、年齢も高いバーテンダーでも勝てるかを考えたのです。勝つために、「RINGOKAN」に「掛川グランドホテル」という看板もプラスしたら良いのではないかという考えも、はじめはありました。
 
 
■勝つためにホテルバーマンという顔を持ったということですか
 
2018 年のバカルディ・レガシー日本大会ファイナルが終わった1 カ月後に掛川グランドホテルの上田武総支配人と会い、ホテルで働く機会をいただきました。「自分の店がある上に昼間に働くの?」という声もあるのですが、企業の中に身を置くことから得る学びはたくさんあります。まず会社員の大変さを知り、それはサービスにも変化が生まれます。さらに、活動の幅、フィールドは確実に広がります。夜遅くまで飲めなかったり、昼まで寝ていられないというのはありますが、それをはるかに凌駕するメリットがありました。
 
はじめはコンペティションで勝つための布石ではあったのですが、そうではない価値があることも分かってきました。
 

バーテンダーやカクテルの存在が成約率を向上させる付加価値を生み出す

カクテル「ロンウーモ」はグラスにまぶしたココアパウダーにサインを書き込む。この演出は決勝前のプロモーションでも大きな話題になった
カクテル「ロンウーモ」はグラスにまぶしたココアパウダーにサインを書き込む。この演出は決勝前のプロモーションでも大きな話題になった

 
■確かに、掛川グランドホテルの料飲施設はバーというよりラウンジです
 
ブライダルに力を入れているホテルの中でのバーテンダーの在り方が分かりました。確かにバーではありませんが、ブライダルの会場見学や衣装合わせで来館されたお客さまに、日中ならばノンアルコールカクテルなどを作る過程もお見せしながら提供することで、成約率が高まっています。単にラウンジの夜の集客力を高めるとか、喫茶利用のお客さまにノンアルコールカクテルを勧めるといったことではなく、バーテンダーやカクテルの存在が、別の価値を生み出していることに気づいたのです。
 
ブライダルスタッフとの関係性が深まったことで、スタッフのセールストークも変わってきたように感じます。コーディネーターが、「お招きするお客さまが喜ばれますよ」という意味で、バーテンダーがいることやカクテルが充実することの魅力を伝えてくれるようになりました。
 

ブライダルでのバーテンディングでもシェークにはこだわるという。ゲストが何を求めているかを常に考えている。
ブライダルでのバーテンディングでもシェークにはこだわるという。ゲストが何を求めているかを常に考えている。
「HOTERES」用のカクテルとともに、小誌・長嶋の名を葉に彫り込んだデコレーションも用意してくれた。
「HOTERES」用のカクテルとともに、小誌・長嶋の名を葉に彫り込んだデコレーションも用意してくれた。
篠原氏へのインタビューを通して印象に残った表情の豊かさを示す一枚
篠原氏へのインタビューを通して印象に残った表情の豊かさを示す一枚

 
■そのお客さまの反応がかなり違うと聞いています

 
多くの場合はメニューを絞り込んだり、ビルドのカクテルのバリエーションで提供するのだと思いますが、私の場合は通常のバー営業と同じように、お客さまと考えながら作るんです。ですから、お客さまをお待たせしてしまうこともあります。そうすると、後ろでお待ちのお客さまも「じゃあ私はどうしようかな」と待ちながら考え始めてくださる。基本的にカクテルはすべてシェークします。それが次につながっていくという考えの歯車がかみ合ってきたなと感じており、企業からのご依頼やご紹介もいただけるようになってきました。
 
 
■ホテルが近隣のご店主を、非常勤とはいえチーフバーテンダーに起用するというのは初めてだと思います。それが掛川からというのは、全国にも応用できるのではと思います
 
時おり、「RINGOKAN」が掛川グランドホテルの中にあるという誤解も生まれたりもするのですが、それはまたある意味ではお客さまとのコミュニケーションが生まれる瞬間としてとらえています。
 
ホテル側が、そのバーテンダーに何をしてほしいかをきちんと定めて、単にビバレッジの売り上げを見るだけでなく、例えばスタッフのトレーニングや優れたメニュー作りという使い方もあると思います。私の場合、今の段階ではブライダルに関してポジティブな効果が生まれているのが分かります。
 
まずはこの掛川を活性化していきたいというのが私の願いです。若いころは、何でも東京が良いと思っていましたが、今はローカルこそ情報発信源になっているというのを感じています。ですから、地方にこそ頑張りがいがあるというのが、各地に伝わってくれたらうれしいですね。
 
 
シガーバー RINGOKAN 〒436-0066 静岡県掛川市谷の口町69-3 
℡ 0537-23-1129 営業時間:19:00 ~ 1:00(木曜定休)
 

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