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2020年4月10日号 新しい視点「ホテルの価値」向上理論 ホテルのシステム思考

第394回 外部環境に大きな変化が生じた場合の賃貸借契約の解釈

【週刊ホテルレストラン2020年04月10日号】
2020年04月08日(水)
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これまでの判例を見ると、賃料が決定された際の経緯や事情について、特に約定された賃料と近傍同種の賃料相場との関係や賃借人側が営むだろう事業収支に対する、当事者双方の将来の収支予測や敷金の水準、賃貸人側の銀行借入金の返済予定にかかる事情等を含めてすべて考慮対象となります。「相当の期間」が経過していることに関しては、条文上からはある程度の期間の経過が求められているとも読めるものの、前回改定時よりそれ程期間が経過していない場合であっても経済的環境の大幅な変化等事情変更を認めることが妥当であれば無論適用すべきとの解釈が一般的です。そして「不増額の特約」が付されていないこと、逆に言えば、「不減額特約」は、強行規定に反しており無効となる結果、たとえ不減額特約が記載されていても減額を要求できることになります(「契約の経緯」で当該不減額特約が付された事情は勘案される)。この場合の改定額が「継続賃料」であり、賃借人側の賃料負担の可能性や賃貸人側の投資採算性を考慮した適正な賃料という概念を超えて、さらに契約当初の事情からその後の経済環境の変化、ホテル市場の変化、その他賃貸人の事情や賃借人の事情の変化等さまざまな要素を考慮され、当事者間の「衡平性」の見地から判断されるものが継続賃料なのです。
 
  このように継続賃料の算定では契約当事者間の「衡平性」を徹底追求することがポイントとなります。当事者間の衡平性を考慮する上で、現在の価格時点における衡平な賃料を求めるというだけではなく、過去の賃料合意時点(直近合意時点)からさらに当初契約締結時点までさかのぼり、その当時どのような環境であったか、収支予測を双方がどのように合意していたか、また当時どのような思惑を双方が有し、契約条件としてどのような点が留意され盛り込まれていたかなどをすべて整理し適切に考慮することが求められます。契約当時の各種事情(環境、当事者の事情)から、その後の各改定時点における各種事情(環境、当事者の事情)、そして現時点における各種事情(環境、当事者の事情)をそれぞれ検討した結果求められるのが、双方にとって「衡平」な賃料、つまり継続賃料ということになります。
 
  賃料変化は、オーナー側にとっても死活問題となりかねません。繊細であり十分に慎重な議論がなされるべき難しい問題ではあります。今後もしもそのような議論がなされることがある場合においては、そもそもどのような法令が用意されているかを理解した上で、双方の強固な信頼関係の継続を前提にし、慎重かつ双方が互いの視点に立ったフェアな議論が重要となります。

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