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HOTERES Entertainment Select! Vol.2

脱コロナ禍!新たな時代のナイトエンターテインメントを考える

2023年06月06日(火)
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創業から23年、コロナ禍を除いては、毎週末のように各フロアが満席になってきた。行動制限解除後はすぐにお客さまが戻ってきたという
創業から23年、コロナ禍を除いては、毎週末のように各フロアが満席になってきた。行動制限解除後はすぐにお客さまが戻ってきたという


街の活気が戻ってきた。銀座・渋谷・秋葉原に至っては、コロナ禍前の賑わいを予想させるインバウンドの戻りも見えている。これらの動向に呼応すべく、ナイトタイムエンターテインメントにも人が戻りはじめている。昨年末あたりから、各地に新施設もオープンしはじめ、日本のナイトタイムエコノミー市場を、改めて収益性の高い市場へと成長させる糸口もできてきた。一方、この2年半で人びとのライフスタイルに生じた価値観の変化は、ナイトエンターテインメントにも影響している。中でも、オーバーグラウンド市場がナイトエンターテインメント領域に参入したことにより、コンプライアンスや安全性などの面におけるグローバル化が進んでおり、店舗のあり方に格差が生まれつつある。そこで今回は、ナイトエンターテインメント市場及び業界に精通し、銀座で長きに渡り人気店として君臨する「ジニアス東京」を牽引する、「ジニアス東京」代表取締役社長の石井脩一 氏にお話を伺った。
 取材・本誌 毛利愼 文 飯野耀子

「ジニアス東京」代表取締役  石井  脩一氏
「ジニアス東京」代表取締役 石井 脩一氏


遊び方、そして時代の変化
 
 まずは石井氏が現在のナイトエンターテインメントに対してどのような見ているのかについて伺った。
 
「私がこの業界に入ったのは日本が昭和バブルに沸いていた時期で、エリアとそこで遊ぶ人たちのジェネレーションというものが割と紐づいてセグメント化されており、遊びにも階段があるというか? 10代は渋谷や新宿で遊び、そこから卒業した後は六本木や芝浦で遊ぶようになるといった、夜遊びにもある種の”流儀”がありました。加えて、若い人たちが憧れる‟大人の遊び方をする方たちも多かったと思います。その方たちが若手を遊びにも連れていかれてましたし、若手もそこで子供から大人へと‟遊び方”が変わり、彼らがまた後輩に‟大人の世界”を見せていくといった流れがしっかりとできていたと思うんですね。もちろん今でもそういった素敵な大人のお客さまはいらっしゃいますが、ナイトマーケットで遊ぶ人たちの規模が縮小していることに加え、大人と若手の関わり方に変化が生じているのも感じています。企業でも上司や先輩と飲んだり、ご飯を食べたりという機会が減ったりしていますが、それと同じように、若い世代が大人と一緒に遊ぶ機会が減っているのだと思います。また、風営法改正による規制緩和でわれわれの業態が得たメリットも多くありましたが、同時に上場企業の市場参入も始まり、イベントなどの作り方がガラッと変わりました。昨今では、一晩で1000万円クラスのギャラを必要とする世界的なDJが来日し、プレイをすることも珍しくありません。このように、ひとびとの遊び方や店舗のあり方に大きな変化が起き始めた矢先に、コロナが来てしまったという感じです。ですから、Z世代からFM2層のお客さまたちが、若い遊びから大人の遊びに移行する時期に弊店を知っていただくチャンスを失してしまった感はあります。ただ、さまざまなことがリセットされた今はチャンスでもありますから、そのチャンスを活かすことで、新しい形のナイトタイムマーケットが作れるのではないかとも感じています」。
 
オールミックスにこだわる
 
 ところで、浮き沈みの激しいナイトエンターテインメント業界において、「ジニアス東京」は創業から常に人気店としての地位を保持している店として有名だ。その証拠に、日本広しといえども、これだけ長きに渡り、人気店として存続している店舗は数えるほどしかなく、同店はトップオブトップともいえる。そのような店作りがなぜ可能なのか? その点について伺うと、
 
「時代の変化はありつつも、私には店舗運営に対して一つの信条があります。それはナイトエンターテインメントの場の主役は、ひとりひとりのお客さまであるということです。それぞれのお客さまが音楽を、お酒を、場を心地よく楽しみ、時には出会いもあるといった、お客さまファーストの空間を提供するのがわれわれのプロとしての仕事だと考えています。いうなれば、圧倒的な非日常を演出するのではなく、日常の中にある‟ちょっと特別な時間”をわれわれの店で楽しんでいただきたいといった感じでしょうか? ですから弊店では、流行りのジャンルだけをかけ続けるということをしません。毎日常に、オール(ジャンルを)ミックスでかけるようにしています。時にはお客さまから流行ものだけをかけて欲しいというリクエストがあることもありますが、すべてのお客さまがそれを求められているわけではありませんし、それをしてしまうと流行が変わった際にどちらのお客さまも失うリスクがあると考えています。以前、関わっていたNYの店舗でも、このスタイルで運営していましたが、ビックネームのDJに頼らずともさまざまなお客さまにいらしていただける人気店になりましたし、現地の芸能人なども普通に遊びに来るお店に成長させることができました。もちろん、弊店でもビックネームのDJがプレイする日もあります。ただ、それを主たる店舗魅力とすることはしていません。
 
 こういった形で店舗運営をしているからか、銀座にお店を構えて20年以上が経ちますが、開店当初から来ていただいている常連のお客さまも多いですし、そういった方たちがさまざまな嗜好の新しいお客さまを連れてきてくださり、さらにその方たちが…ということも多いですね。おかげさまで創業当時から務めているスタッフも多く、それぞれのスタッフにお客さまがついていますし、‟安心安全に遊べる”といった面での信頼もしていただいていると思います。中には、ここで出会って結婚したカップルもたくさんいらっしゃいますよ。ご主人もわれわれの店を知ってくださっているからか? 最近は子育てが一段落つくと、ママ友と一緒に遊びに‟戻って”きてくれるお客さまも増えました」。
 
集客は地元のキーパーソンと組め!
 
 最後に観光事業者が、特に地方の事業者がナイトエンターテインメントのイベントや取り組みをする際のポイントについて伺った。
 
「恐らくみなさん、一番の懸案事項となるのが集客だと思います。よく耳にするのは、東京で人気のアーティストやDJをキャスティングしてフェスやイベントを開催したのに、お客さまが集まらなかったという話です。もちろん、成功するケースもあるのですが、そこには必ず地元で集客力を持つキーパーソンが運営サイドに入っているんですね。ですから、常設にせよ一過性にせよ、イベントをやられる際には地元のナイトマーケットで信頼の厚い人材と組むことが成功に結び付くとなります。ホテルディスコなどの場合も、宿泊のお客さま以外に一般のお客さまも動員したい場合は必須ですね。そこさえちゃんと押さえておけば、そこまでビックネームではなくても、選曲センスのいいDJをキャスティングできれば成功する可能性は多いにあると思いますし、ニーズはあると思います」。
 
 因みに石井氏は全国のナイトマーケットに人脈を持ち、慕われている人物としても有名だ。ナイトエンターテインメントの取り組みについて企画や開発を検討している事業者は、ぜひ石井氏にアクセスしてもらいたい。

ジニアス東京
http://geniustokyo.jp/
 

NYでは「DISTRICT 36」、「Greenhouse」、「WIP」にジニアスの社員を派遣し、いずれも人気店として、海外の有名ミュージシャンやセレブ、ソーシャライトなどから愛された。写真は「WIP」に遊びに来た際の、グラミースター・NE-YO( 写真左)
NYでは「DISTRICT 36」、「Greenhouse」、「WIP」にジニアスの社員を派遣し、いずれも人気店として、海外の有名ミュージシャンやセレブ、ソーシャライトなどから愛された。写真は「WIP」に遊びに来た際の、グラミースター・NE-YO( 写真左)
6F のVIPルーム。床の一部がガラス張りになっており、プライバシーが守られながら、階下フロアの音や雰囲気を楽しめる空間デザインが人気だ
6F のVIPルーム。床の一部がガラス張りになっており、プライバシーが守られながら、階下フロアの音や雰囲気を楽しめる空間デザインが人気だ

​担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp

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