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特別企画 大阪タウンホテル協議会

ADR、 RevPAR、オンハンドともに好調に推移、大阪のホテルマーケットに好影響をもたらす中国インバウンドも増加傾向

2024年06月03日(月)
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 ADRの上昇でRevPARもコロナ前の水準近くまで回復を果たした大阪のホテルマーケット。さらに2025年には大阪万博を控えており、前途明るい一方、人材不足が影を落としている。そんな大阪のホテル事情について、大阪タウンホテル協議会 会長の西面 昌幸氏に、昨年の状況や今後の見通しについて伺った。
 



大阪タウンホテル協議会
会長
西面 昌幸氏
(ハートンホテル西梅田 支配人)

ホテル業の横のつながりを重視し若手の研修なども実施

■初めに大阪タウンホテル協議会について教えてください。
 
 大阪タウンホテル協議会の現在の加盟ホテルは26ホテル、客室数は6081室で、活動として毎月例会を開催しております。
 入会条件は客室数がおよそ80室以上の大阪市内のホテルであること、加えて会員ホテルの半分以上の承認を得られたらご入会いただけます。数字の交換だけではなく、さまざまな意見交換の場としての要望も大きくなっており、現在は会の活性化のために加盟ホテルを増やす方向で動いております。ここ3年に開業した新規ホテルにもご入会いただきました。ご興味のあるホテルは一声おかけください。
 
■活動内容についてもう少し詳しくお聞かせいただけますか。

 稼働率やADRなどの数字の共有、意見交換のほか研修会なども実施しております。最近は若手向けにホテルの仕事はやりがいあって楽しいと思ってもらえるような内容を心掛けています。昨年は9〜12月まで3〜4回のコースで、1回あたり半日の講習会を設けました。コロナ禍に入社した世代は研修が受けられなかったり、横のつながりができにくいなどの側面があるので、難しいことを教えるより、グループで一つのホテルを運営するゲーム的要素を取り入れました。12月の最終回の後は修了証を渡し、忘年会も行いましたね。皆さんが横のつながりができて、仕事のことを共有できると好評を博しています。

 

業績はほぼコロナ前の水準に、ADRはコロナ5類移行前に先んじて上昇

■加盟ホテルの昨年の稼働率、ADR、RevPARなど営業状況はいかがでしたか。
 
 2023年は平均稼働率が75.4%、ADRが8557円、RevPARが6826円でした。2022年は稼働率が59.5%、ADRが5804円でしたので業績はだいぶ回復してきたと思います。稼働率はコロナ前の2019年の83.5%に比べるとまだ足りない状況ですが、ADRに関しては2019年の8334円を上回りました。RevPARも2019年の6973円に肉薄していますので、ほぼコロナ前の水準に追いついたと言えますね。
 
■業績回復の潮目はコロナが5類に移行したタイミングだったのでしょうか。
 
 2023年5月に関してはADRが9102円でした。2019年5月が8476円でしたからすでに超えています。コロナの5類移行で業績が追いついてくると見ていましたが、意外にもADRは先に取れていました。稼働率は2019年に比べると低いですが、加盟ホテルが稼働よりもADRを重視するという方向で動いていましたから。いま振り返るとそれが結果として表れています。以前は日曜は稼働が悪いから価格を下げて稼働を取りにいくこともありましたが、去年の秋ぐらいからそうした対応はあまり見受けられなくなりました。
 
■インバウンド比率についても教えてください。
 
 協議会として数字を出すのは難しいですが、肌感覚で言うとミナミのホテルは8〜9割がインバウンドなのではないでしょうか。キタに関してはそこまでのホテルは少なく、おそらく5割ぐらいだと思います。
 大阪はやはり中国人客の動きに一番影響を受けていると思います。ミナミは中国、韓国、台湾が中心で、梅田のホテルは欧米系の方も結構お泊まりいただいていたのですが、今年の春節ごろからは一気に中国人客が増えたと感じています。
 
■インバウンドが増えることでオンハンド比率も上がりましたか。
 
 ミナミのホテルはオンハンドが高いと思います。でも、最近の傾向としてリードタイミングが短く、直近で予約するなど日本の方と動きがあまり変わらなくなってきています。昔はオンハンドをとるためにインバウンドを獲得しようと強く思っていたのですが。

 

多様な雇用形態活用、ギャランティアップなどで人材不足改善を模索

■例会でそのほか話題になったことがありますか。
 
 やはり一番多いのは人手の問題ですね。ホテルのフロントやレストランだけでなく、清掃する人が少ないという話もよく出ています。派遣社員を活用するというケースもありますが、自社社員にこだわっているホテルも結構ありますし、社員以外はすべてアルバイトというホテルもあり、対応策はそれぞれです。派遣は登録型と常用型がありますが、状況に応じて入ってもらえる登録型を使っているホテルが多いように思います。
 
■タイミーなど短期のスキマバイトも活用されているのでしょうか。
 
 当ホテルでは去年、旅行支援の登録業務などで活用してその際の使い勝手はよかったですね。タイミーによるとレストランの下げものや清掃などで活用されるところが多いとのことでした。
 
■コロナ禍ではデイユース利用も多かったと聞いましたが、人手不足の中で減ったと感じられますか。
 
 コロナ禍は部屋が空いていたからデイユースもできましたが、いまはスタッフの労力と清掃が回らないことを考えるとリスクが大きく、積極的に取り入れているホテルはコロナ禍に比べると少ないと思いますね。
 
■人手不足解消に給料や時給アップを打ち出す企業を見受けますが、大阪市内の動向はいかがですか。
 
 最低賃金が上がっているので、コロナ禍でもアルバイトの時給はコロナ前に比べて200円くらいは上がっていると思います。その話はどのホテルからも聞きます。とくにレストランの朝食対応はそうしないと人が確保できませんから。新卒も給料のベースを上げて募集をかけているようです。
 
■ところで大阪万博まであと1年ですが、工事需要など恩恵は感じられていますか。
 
 エリアによっても違いがあると思いますが、会場建設が進むベイエリアのホテルは、工事関係の需要があるようですが、工事がなかなか進まないので先送りになっていて宿泊需要も後ろ倒しへとなっているようです。
 開催地の夢洲まで直通で行くことのできる本町駅周辺のホテルに聞いても、万博関係で動いているという話はあまり聞こえてきません。
 最近、梅田エリアのホテルでも大阪万博に向けての問い合わせは、国内外のお客様を含め増えて来てます。梅田は工事関係者と言うよりは、期間中のイベント関係者の宿泊の問い合わせが多いように思います。1日に何百人の宿泊問い合わせも出て来ています。本開催を見越しての事前問い合わせですが、ホテルによっては半信半疑の状態でやっている感じがします。
 
■最後に今後の業績の見込みについてもお聞かせください。
 
 年平均でADRが9000円以上にはなると予測しています。1万円が達成できるとよいと考えていますね。ただ人材が不足する中での話なので限界はありますが。この問題も含めてうまくやっていけたらと考えています。

 

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