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デスティネーション広島

『観光資源の宝庫・広島が世界を変える!!』

【月刊HOTERES 2015年06月号】
2015年06月03日(水)
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広島の旅館と広島のホテル
それぞれの今後とは
 
 第3部は、「広島マーケット近未来戦略」と題してパネルディスカッション。今回は現役のホテル総支配人3 名に、宮島の伝統的な旅館経営者が加わった。バラエティー豊かな面々が登壇すると、冒頭ファシリテーターを務める弊社村上が、先日起きたアシアナ航空機の事故について質問を投げかける。どのパネリストも直近の影響はないとしながらも、時期的な事情を考慮し、今後のビジネス需要への影響や風評被害を懸念した。
 
 ディスカッション前に、まずは近年の稼働の振り返り。ホストホテルのシェラトンホテル広島 山本氏は、震災年であった開業時の困難と独特さを懐かしみながら、広島を訪れる外国人比率の推移、市内ホテル稼働と単価の変化、またマーケットトレンドの変化に対して「過敏に対応するのではなく、長所と短所も見極めながら、バランスを取ることも重要」と述べた。近年は、外国人ゲストを対象とした施策が功を奏し、料飲部の稼働も比較的好調であると述べた。
 
今年1 月より神戸メリケンパークオリエンタルホテルの総支配人を兼任する、オリエンタルホテル広島 荒木氏は、好調な大阪の影響を受け上昇を続けるマーケットについて評価をしながらも、インバウンドに対するさらなる取り込みの可能性を言及。またFIT を中心とした高単価客の獲得と、自社HP への誘導、レピュテーションマネジメントの強化を自社の課題とした。
 
グランドプリンスホテル広島 中野氏は、宿泊とブライダル2 本柱の存在と、それを支えるインバウンドの好調をアピールする一方で、想定されるリスクとマーケット分散の必要性を示唆した。
 
創業100 年を超える宮島の老舗旅館錦水館で手腕をふるう武内氏は、宮島全体の来訪者数に見る宿泊者数の現状、その内訳を説明しながら、インバウンド需要と国内需要のバランスについて注意を払う必要があるとした。少し掘り下げた形で、村上が減少を続ける旅館事情について意見を求めると、「もともと過剰な設備投資で創業した旅館が多く、旅行モデルの変化に伴う低単価化と低収益化、時代に取り残された旧体制の経営、この二つのケースから閉館へ追い込まれるケースが多いように考えている」と述べた。星のやを例にしながらトピックが連泊に移ると、現状の広島マーケットにおいてはどの施設も高くはないとしたうえで、改めてその効果と重要性について、パネリストのみならず会場全体が考えを巡らせた。
 
地域を問わず目に見える形で課題となっている「人材育成と確保」については、パネリストが順に発言。各社それぞれの取り組みがうかがえる中、30 代中盤までの、現場を支える若い人材が考えるワークスタイルの尊重や、価値観の変化への理解と対応などが、ヒントになり得ると考察できる内容となった。最後に村上は「物事には波がある。インバウンドで全国的に稼働や業績が好調なことは、業界にとって喜ばしいことだが、衰退したさいのリスクヘッジについて、意見交換の場を設ける必要性が今後想定される。また、人材確保にあたっての取り組みは理解できたが、職業の根本的な社会的ステータスを向上させ、あこがれの仕事となるような活動や発信が、業界全体の責務である」と、会場に集まった現役のホテル関係者たちを鼓舞した。
 
 セミナー終了後、懇親会が行なわれると、シェラトンホテル広島 山本氏がホストホテルの立場からあいさつし、(公財)広島観光コンベンションビューロー 増川一幸氏が乾杯の発声を務めた。また同氏は壇上から「事務方のわたくしですが、昨今の外国人旅行客の増加は、事務所から見える景色を通じて感じております。より一層広島観光産業の発展に寄与すべく、今日は日ごろ現場に携わっていらっしゃる皆さまからいろいろなご意見を頂戴し、まずは本分であるMICE 事業の活性化に役立ていきたい」と述べた。懇親会の場内にはセミナーから引き続き、登壇企業を含む協賛各社のブースが展示。商談を行なう参加者の姿も見られ、新たな提案に対する関心の高さが垣間見えた。会場内では各企業の取り組みや、課題解決に向けた意見交換がなされる中、セミナーは無事幕を閉じた。

シェラトンホテル広島 総支配人 山本博之氏
オリエンタルホテル広島 総支配人 荒木潤一氏
グランドプリンスホテル広島 総支配人 中野忠昭氏
㈱錦水館 代表取締役社長 武内恒則氏
( 公財) 広島観光コンベンションビューロー 専務 理事 増川一幸氏

特別協賛企業
㈱メディシン
Tel:084-931-5366
URL:http://medicine-net.jp/
㈱エアウィーヴ/ホテル事業担当:富田
Tel:0564-56-1262
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テクノジムジャパン㈱
Tel:0120-576-876
URL:http://www.technogym.co.jp/
㈱ヌベール
Tel:0585-32-3800 ㈹
Tel:082-843-7599(広島出張所)
URL:http://www.nevers.co.jp/

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