
コネリアーノ ヴァルドッビアデネ プロセッコ スペリオーレ ワイン保護協会のインノチェンテ・ナルディ氏
昨年から始まった日本での取り組み
プロセッコDOC が昨年、今年と8月にプロモーションを行なった一方で、プロセッコ スペリオーレDOCG も昨年から日本でのプロモーションを開始。ひと味違うプロセッコとしての認識向上に努めている。
昨年11月15日から12月17日まで「エクセレントショップコンクール」として開催されたプロモーションでは、参加飲食店は同DOCG ワインを1 種類以上オンリストし、同地とワインの魅力を発信。去る5 月に行なわれたプロセッコスペリオーレDOCG における同地ワイン最大のイベント「ヴィーノ イン ヴィッラ」では、このプロモーションにおける優秀店2 店が招待され表彰を受けた。
プロモーションは今年も開催予定で、プロセッコの普及とともにDOCG やリーヴェ、カルティッツェといった歴史と品質に裏打ちされたプロセッコの存在が知られていくことにも期待したい。
観光資源としての
コネリアーノ ヴァルドッビアデネ
コネリアーノ ヴァルドッビアデネは現在、ユネスコの世界遺産に登録されようとしており、世界的にもユニークなゾーンとして認識されている。「ヴィーノイン ヴィッラ」では記者発表や試飲会、テイスティングが行なわれる一方で、期間中には観光政策に関するセミナーも開催された。
コネリアーノ ヴァルドッビアデネ地域とトレヴィーゾ、またヴェネト全体との比較における観光資源と宿泊産業や料飲施設などの受け皿の状況、また雇用や貯蓄額など経済的な視点も含めた現在の立ち位置を明確にした。また、2014 年にブドウ畑の景観が世界文化遺産に認定されたイタリア北部ピエモンテ州はランゲ=ロエロとモンフェッラートを例に、同地における経済効果とコネリアーノ ヴァルドッビアデネでの見込みが発表された。
コネリアーノ ヴァルドッビアデネ プロセッコ スペリオーレ ワイン保護協会のインノチェンテ・ナルディ氏は「世界遺産によってこの地域の景観や歴史的な背景とともに、プロセッコ スペリオーレDOCG ワインの素晴らしさが伝わることを望む。そのために守らねばならないことと、より強く啓もうすべきことの両輪をもって取り組んでいきたい」と思いを語っている。
「ワインツーリズム」なる言葉が生まれて久しく経つ。それは現地訪問であったり、現地でのワイン消費であったり、また農業など体験型の滞在であったりとあり方も多様化している。「カルティッツェ」や「リーヴェ」といった言葉をきっかけに縦横多様なプロセッコがあることを知る人がいる一方で、今後は地域の評価や称賛によってワインに関心を持つ新たな消費者にも期待しよう。あらゆる酒は、世界の観光資源たりうるのだ。

クリスティアーノ カッツォラート氏はコネリアーノやヴァルドッビアデネ、そしてカルティッツェなどを周遊する「プロセッコツアー」のドライビングサービスを提供している。日本語も堪能で、ワイナリー見学のコーディネートもしてくれる。
cristiano.cazzolato@gmai.com