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インタビュー デービッド ブーレイ 

日本の伝統食材に出会い、新たな気付きを得る  それらを活かし食と健康、食と科学の結びつきを啓蒙していきたい(前編)

【月刊HOTERES 2019年06月号】
2019年06月14日(金)
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シェフもバクテリアの重要性を学ぶべき
 
❒ デービッド・ブーレイさんは、食を通じた健康づくりにあたり、バクテリアの重要性を指摘されているとお聞きしています。どのような経緯で注目されるようになったのですか。
 

 皆さんは、ミシュラン3 つ星和食料亭「菊乃井」三代目主人の村田吉弘さんをご存じでしょうか。彼は科学的アプローチを行なう料理人で、その著書の中で、だしを取る際に、煮詰めるべきではないと書いています。
 
そして、キーワードの一つとして、「バイオアベイラビリティ」を挙げています。食品が身体にどれだけの利益をもたらすのか、という意味です。実際には、食品のすべての成分が身体に吸収され、機能するわけではありません。
もう一つのキーワードが、「消化」です。消化は糖分と関係が深く、糖分バランスを正常化することで、血圧を下げることにつながります。
 
 私は今、日本はもちろんのこと、世界中の医療関係者がバクテリアに関する理解をもっと深める必要があると考えています。バクテリアは生態系の根幹をなす生物ですが、彼らにとって新境地であり、詳しく知っている人はまだほとんどいないはずです。
精神科医、心理学者、心臓専門医、胃腸科医、神経科医でも、バクテリアをより深く知ることで、そのパワーを実感できるはずです。
 
 では、誰がバクテリアをサポートするのでしょう。それはシェフなのです。薬ではありません。薬には副作用がありますから。私たちシェフは、例えばクルクミンのように、どのような食品が良性のバクテリアを育てるのかについて学ばなくてはなりません。
 
 米国ニューヨーク州・イサカにある研究所に、私の仲間で12 年間にわたってマイクロバイオームを研究しているイスラエル人科学者がいます。彼は、「3 年ごとに研究室の環境が良くなっている」と言っています。12 年前はバクテリア研究用の機器すらなかったそうです。
彼によれば、クルクミンは良性バクテリアの増殖を促進するのに、最も強い効果を与える物質の一つであるそうです。クルクミンを含むターメリックが糖質のバランスを整える抗がん性のものであることはよく知られています。
 
 
❒ 例を挙げてご説明いただけますか。
 
 4 年前のことになりますが、「シェフ&ドクター」シリーズの企画で、私のフードテイスティングとは別に、脳神経外科医であるコーネルメディカルスクールの学長がプレゼンテーションを行ないました。
私は彼を紹介するにあたり、私たちがこの場で何をしようとしているのか、何を目的としているかについてのビデオを流すと共に、私たちが準備した数多くの種類のオイルをお見せしました。私は多くの大学でオイルにスパイスやハーブを加えることにより、より体内で作用しやすくなることを学んでいたからです。
 
 彼がレクチャーを始めたところで、私はクルクミンオイルを用意しました。彼はインドが世界で最もアルツハイマーが少ない国であることを紹介しました。それはなぜでしょうか。答えは、インド人が正しいものを食べているからです。
 
カレーと言えばターメリックですね。ターメリックにはクルクミンが含まれています。インドでは、「ギー」と呼ばれるバターから不純物を取り除いた純粋なオイルを使っています。インド人たちは、いつもカレーを作る前に、スパイスをほぐします。そして風味を引き立てるため、スパイスをギーに浸します。
 
私はこれと同じことをお客さまにお見せし、自宅でどのように作り、使えば良いのかを説明しました。シェフと科学者が、ヘルシーコミュニティーを一緒に作り上げたわけです。
 
 今日の科学とホームクッキングは実用的にコネクトできます。難しく考える必要はありません。西洋では、どの家庭にもたいていオリーブオイルのボトルがあるものです。もちろん、オリーブオイルの使い方も知っていますので、どうやって活用すれば良いかを理解するのは簡単なことです。これがリビング・パントリー構築の仕組みであり、そう考えるとゴールは近いと思います。
 

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