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2020年2月7日号 FROM THE PUBLISHER 太田 進

FROM THE PUBLISHER 太田 進 目に見えない資産

【週刊ホテルレストラン2020年02月07日号】
2020年02月06日(木)
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 本当に強い企業、ホテル、レストランは有形の資産ではなく目には見えない資産を武器として闘っている。皆さまの目には見えない資産は何か、そして、それを武器とできているだろうか。

 どれだけ立地が良くハードがきれいでも、それだけに依存しているホテルやレストランは、最初は良くても評判が徐々に落ちていくだろう。スタッフのサービス、ゲストへのサポート、レストランであれば料理や会話、料理や酒の知識など、ソフト面のレベルを高く保てなければ、評価は価格次第となってしまう。

 

 ホテルやレストランは最終的にはそうした部分に努力ができるか、さらに言えばマネジメントやスタッフたちがそこに向かって喜んで努力できる組織文化を持てるかどうかが重要になる。

 先日の日経新聞に多摩大学大学院の名誉教授 田坂広志が興味深いことを書いていた。「現在の成熟した知識資本主義では、(1)知識や知恵、(2)人と人との関係、(3)信頼、(4)評判、(5)文化という5つの資産が重要になる。いずれもお金で換算できないため『目に見えない資本』と言える。人工知能(AI)時代には文献で学べる知識よりも、経験でつかむ知恵の方が重要になる」

これはまさにホスピタリティービジネスにもまさに当てはまる。一方で、同氏はこう続けている。
「知恵の共有には共感が必要だ。しかし弱肉強食の競争原理が社会に浸透するほど共感は失われ、知恵の共有が進まなくなる。日本企業はもともと『目に見えない資本』を大事にしてきたが、近年は競争至上や利益至上の金融資本主義に影響され『目に見える資本』だけを追い求めるようになってきた」

 

 残念ながらこの傾向は一部のホテルやレストランでもあるだろう。当然、そのようなホテルやレストランが、特に付加価値で選ばれるホスピタリティービジネスの領域で勝てるわけがない。徹底的にシステムや機械を使った効率化ホテルであれば、あとは立地やハードと価格しか強みがない。機械やシステムはあくまでツールであり、それを、顧客を知り、自分の頭で考えることができる“人”が、どのように使い、ゲストの満足度を上げながら業務を効率化するかを考えなければならない。

 本当の価値ある資産とは形のないものだ。お金や家、宝石や車など、有形の資産は盗まれるかもしれないし壊されるかもしれない。知恵、スキル、人間関係、信頼、評判といった無形の資産は決して他人によって奪われたりすることはない。

 そして、強いホテルやレストランは有形のものではなくそうした無形の資産を武器に闘っている。御社の無形の資産は何か。そして、御社はそれを武器として闘えているだろうか。

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