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第十二回 ㈱バルニバービ 佐藤 裕久 『それでもなお一杯のカフェの力を信じますか?』

第十二回  『マンションメーカーとカウンター割烹』

【週刊ホテルレストラン2018年01月19日号】
2018年01月19日(金)
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佐藤 裕久
Hirohisa Sato
Profile 京都市上京区生まれ。神戸市外国語大学英米語学科中退、アパレル会社で出店計画事業などに従事後、1991年有限会社バルニバービ総合研究所設立、代表取締役に就任。98年㈱バルニバービに組織変更。現在、東京・大阪をはじめ全国に79店舗(2017年11月末時点)のレストラン・カフェやスイーツショップを展開。著書に『一杯のカフェの力を信じますか?』(河出書房新社)、『日本一カフェで街を変える男』(グラフ社)がある

 
『マンションメーカーとカウンター割烹』
あの時代、飲食業がファッション業界と大きな接点を持ちました。事業を成功させたアパレルメーカーはその情報量と発信性、デザイン力を武器に、潤沢な資金で飲食業に参入していったのです。けれどそれは同時に飲食業の持つ大きな弱点を露呈することにもなりました。なぜならばそれらの店のほとんどが開業時のエネルギーを数年で失うことになってしまうことになるのです。
 
 いったい何が起こったのか?

 それを理解するために飲食業とアパレルの持つ共有性と相違性を考察したいと思います。個人オーナーのビストロやカウンター割烹の多くのお店はファッション業界の小さなマンションメーカーに当たると言えます。料理人が思いのままに調理し、お客さまと向き合い、さらに研鑽し技術を磨き、特別な食材の生産者や仕入れ先を開拓し、内装はもちろん器やアートにまでこだわり抜いた世界観を発揮します。ここにスタイル性や感性軸といった飲食とファッションビジネスとの共有性を見て取ることができます。
 
 ですが基本的に料理の世界の拡大再生産は難しくどうしても席数、もしくはその料理人がリアルに調理できるボリュームでしか商品(料理)を生み出しえません。なぜならば元来料理人はレシピの作成をしたいのではなく、自ら考案したレシピを基に実際の調理を行なうことを目指し、サービスマンは自らサービスを行なうことを基本としているからです。『自ら調理した料理やサービスで人を喜ばせたい!』これがほとんどの者の思いでしょう。けれどメーカーであるアパレルではデザイナーやブランドマネージャー等の『思いを形にするサイド』は基本、サンプル以外服の縫製・製造はしません。つまり自らで最終の生産をしないのです。ここがこの二業種の決定的違いです。飲食業では売り上げは単価×席数×回転数以上には立ちません。もちろん事業拡大のため支店を作るとなると話は全く違ってきます。しかし同じレシピでも人が変われば同じ料理にはなりません。それほど料理人の技術は繊細です。それは味ということだけではなく空気感をも含めてということです。

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