看板メニューの「オムライス デミグラスソース(右手前)」や、定番3品を一度に味わえる「カーディナルプレート(左後)」など、同店では東京スカイツリータウン・ソラマチの人気店、「洋食屋 銀座グリルカーディナル」の味をカジュアルに楽しめる。なお、メニューはすべて両店統括料理長・田中俊行氏が監修しており、気軽ながらも本格的な味わいを堪能できる
羽田空港第1ターミナル地下1階のフードコートが、1993年の供用開始以来初となる全面リニューアルを経て、2025年9月に「Sora Chika(ソラチカ)」としてオープンした。同エリアは「おのでら」や「くろぎ」など、日本を代表する名店がプロデュースする店舗が集結し、注目を集めている。その中で、「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ(以下、「デル・ポンテ」」や「サバティーニ・ディ・フィレンツェ 東京店(以下、「サバティーニ」)」を運営する㈱カーディナルが、第2ターミナルの「ドンサバティーニ」、第3ターミナルの「カフェ カーディナル」に続き、新業態「洋食屋 銀座グリルカーディナル エクスプレス」を出店。同空港全ターミナルに出店する唯一の企業として、その運営力とクオリティの高さを示している。
㈱カーディナル代表取締役社長の三好康弘氏は語る。「私は料理において斬新さより、メニュー名がお客さまに解りやすく、オーセンティックに、言うなれば“定番の美味しさ”であることを大事にしています」。この哲学は同社の各店舗に息づき、一口ごとに心に残る確かな味わいとして体現されている
そこで㈱カーディナルの三好社長に、羽田空港の3ターミナルすべてに出店するに至った経緯について伺った。
「実は空港出店については、93年のビッグバード開業時から視野に入れていました。その中で、第2ターミナルが入居店舗を募集する際にご縁をいただきました。ちょうど丸の内ビルディングに『アンティカ・オステリア・デル・ポンテ』を出店してから2年ほど経った時期で。羽田のリーシングを担当していたのが丸ビルと同じ企業だったこともあり、実績を評価いただき、お声がけいただいたようです。その際、空港側から‟イタリア料理で“というリクエストがあり、『サバティーニ』のエスプリをカジュアルにした形で『ドンサバティーニ』の業態を開発しました。そこからのご縁で第3ターミナル、第1ターミナルとお声がけをいただき、現在にいたっています。
ちなみに第3ターミナルに関しては、24時間営業の国際空港ということもあり、弊社としても初めての24時間営業でのオファーでした。そのため、仁川空港に赴き現地のオペレーションを視察したり、カフェチェーンの運営も参考にしながら独自の業態を開発しました。また、今回はコンペまでの時間がタイトだったことに加え、弊社として初のフードコートでの挑戦ということもあり、社内の精鋭を集めたチームを編成して企画を練りました。空港内の店舗でしか弊社をご存じでないスタッフの方々には、『デル・ポンテ』や『サバティーニ』、そして今回の母体店舗である『洋食屋 銀座グリルカーディナル』にご案内をして理解を深めていただくなどもし、コンペに挑んだ次第です」。
結果、羽田空港3ターミナルすべての棟での出店を実現した。リーシング企業からの声がかりであったとはいえ、いずれもコンペを勝ち抜いての出店である。そこで、他に例を見ない快挙を成し遂げた今だからこそ、抱いた手応えや決意について伺った。
「まずは純粋に嬉しかったですね。本部からの提案を採用いただいたことはもちろんですが、これまでお客さまと美味しさに真摯に向き合ってきたスタッフたちの実績をご評価いただけたのではと感じています。それと同時に、改めて“緒を締める”気持ちにもなりました。いただいた信頼にお応えする責任がありますし、初めての取り組みであることからトライ&エラーを繰り返しながら、よりよい店舗をめざして日々努力している点もあります。さらに空港という、国境を越えて老若男女すべてに喜んでいただかなければならないロケーションであることに加え、メインメニューがワンプレートであることから、幅広い嗜好や年代に合い、なおかつ価格に見合ったクオリティをどう表現するかに重きを置いてメニュー開発を行ないました。加えて今回、約15,000人(※取材時)の羽田空港就業者向けに提供する、従業員専用テイクアウト商品の開発にも取り組んでいます。弊社としても多くのことが初挑戦となった出店で、試行錯誤することもいまだにありますが、日々ノウハウを蓄積できている点はありがたいことです。今後はフードコートへの出店にも積極的に挑戦していきたいと考えています」。
同社は戦後日本のガストロノミー、そして外食文化の創生に多大な影響を与えてきた歴史に加え、多岐にわたるジャンルの直営店、空港やゴルフ場などでのレストラン展開、ホテル内レストランの運営においても実績と信頼、さらに豊富な運営ノウハウを持っている。また、確かな味わいと丁寧な接客でも高い評価を得てきた。今後はフードコート市場への参入拡大に加え、ホテルにおけるレストラン運営にも注力し、多様な食シーンでお客さまに新しい価値を提供していく考えだ。
長きにわたり本物を追求し、提供し続けてきた同社は、確かな信頼と実績を求める事業者にとって心強いパートナーとなるはずだ。ぜひアクセスしてみてもらいたい。
「㈱カーディナル」
https://miyoshi-grp.com/cardinal/








担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp