味も雰囲気も“大人”クオリティでありながら、価格はダイヤモンドダイニングらしいプライスに抑えられている点に、同社の強身を感じる。シグネチャーともいえる”おまかせコース 大詰め”は、前菜5品、焼鳥5種、酒肴細巻き2種、デザートまで付いて税込4,800円というリーズナブルさだ
㈱ダイヤモンドダイニング(以下、DD)は、京橋に“大人の居酒屋”を掲げる新店舗「焼鳥IPPON+ Tokyo」をオープンした。同店は、大崎の人気店「焼鳥IPPON」をベースに、食材や味付けをはじめとするメニュー開発に加え、空間設計やアートとのコラボレーションまでをブラッシュアップさせた、派生ブランドだ。
今回、同地への出店にあたり、DDでは“京橋”という街の背景にある歴史をスタディし、それを軸にコンセプトを構築した。明治から大正にかけては銀座に並ぶモダンな街として文化人や芸術家が集い、現在も再開発が進む中でギャラリーやミュージアムが点在している。そうした土地柄を反映し、同店でもアート作品の展示・販売を行うスキームを導入した。
店内の至るところにアートが展示されており、なんと化粧室の中にも作品がある。作品は購入も可能で、随時キュレーションしていく予定だ。オープン時にはmiyuu氏の作品を展示した
料理においても、焼鳥や細巻といった“日本食文化”の基盤は継承しつつ、現代的なアレンジを加えたメニュー開発を行っている。店舗名にもある焼鳥各種は、“塩”や“タレ”にとどまらず、部位ごとに異なる味わいを活かす独自のタレやオリジナルスパイスを用意。各部位につき2種の味付けから、お客さまの嗜好に合わせて選べるスタイルにした。
また、“+ Tokyo”の部分で表現される“酒肴細巻き”では、赤シャリをベースに洋の食材も取り入れ、複数の素材を掛け合わせた独創的な組み合わせが楽しめる。ランチタイムには、ディナーで前菜として提供されるおばんざいをビュッフェ形式で味わえる工夫も施した。
もちろん、ドリンクにも抜かりはない。こだわりの日本酒や焼酎、全国各地の個性派クラフトビールに加え、鹿児島の老舗製茶卸“すすむ屋茶店”の茶を使った茶割りなど、“大人”が上質な一献を楽しめるラインナップが揃う。
個性的なカウンター席も、同店のこだわりのひとつ。焼き場前に設えられた白石は、料理を撮影する際の“映え効果”が高い。さらに、ガラス越しに焼き場を担当する料理人とのコミュニケーションも楽しめる設計となっており、おひとりさまでも疎外感なく、ゆっくりと食事を堪能できる
同店は先述の特性に加え、京橋の中でも昭和通り沿いという隠れ家感あふれるロケーションにより、これまで“いい感じのお店でちょっとした会食やデート”を求めていた近隣のお客さまにとって待望の店舗が、近隣住民にとっては地元飲みの楽しみがさらに広がる上質な店が誕生したといえる。比較的飲食店の閉店時間が早い銀座・京橋エリアで、平日祝日に関係なく23時まで開いているのも嬉しい。
厳しいコロナ禍を乗り越え、見事な復活を遂げたDD。同店をはじめ、今後の展開も非常に楽しみだ。
「焼鳥IPPON+ Tokyo」
https://www.dd-holdings.jp/shops/yakitori_ipponplus/tokyo








担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp