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毛利愼の外食エンターテインメント Vol.149

グランドプリンスホテル高輪が魅せる、‟昭和百年”の物語

2025年08月06日(水)
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”昭和タイムトリップステイ”ルームの内観。同室に滞在したお客さまの中には、「本当に楽しかった」と、チェックアウトの際に次回の予約を入れて帰るケースもあるという。時代の節目にリンクしたプランニングは、宿泊体験に特別な意味を添える点で非常に魅力的だ。今後もぜひ、こうした企画の展開を期待したい
”昭和タイムトリップステイ”ルームの内観。同室に滞在したお客さまの中には、「本当に楽しかった」と、チェックアウトの際に次回の予約を入れて帰るケースもあるという。時代の節目にリンクしたプランニングは、宿泊体験に特別な意味を添える点で非常に魅力的だ。今後もぜひ、こうした企画の展開を期待したい

「グランドプリンスホテル高輪」が昭和元年から100年目を迎える今年、‟昭和100年“を記念したコンセプトルームプラン、‟昭和タイムトリップステイ“を展開している。同室は、同施設の伝統的なスイートルームとして名高い‟プリンセススイート“に創生され、昭和時代の懐かしい家具や雑貨を配したレトロな空間となっている特別客室だ。レコードやポスター、インベーダーゲームなど、昭和の文化や暮らしを感じるインテリアは、非日常的な時間を演出しており、その時代を体験したお客さまにはノスタルジーを、そして昭和レトロをコンテンポラリーに楽しむ若いお客さまには新鮮な魅力を届けている。オーセンティックなホテルライフはそのままに、プランやアクティビティにおいては常にチャレンジングで新しい企画を提供している。今回のような‟今年にしか”実装しえない、‟一期一会“なプランを創生する点も「グランドプリンスホテル高輪」の魅力だ。
 
今回、同室と共に展開されている‟懐かしの昭和メニュー“も魅力的だ。フレンチ、中華、和食にラウンジメニューまで多岐に渡り展開されているこれらのメニューはお客さまにアンケートを取り、リクエストの多かったものを再現してオンメニューさせたという。アンケート募集の折には非常に多くの回答が寄せられたといい、このことからも同地がいかに多くのお客さまの‟大切な思い出”の舞台として記憶に残るホテルだったかということを実感したそうだ。そんなお客さまの大切な気持ちと共に手掛けた今回のプラン創出には、大きな手応えも感じたという。コンセプトルームプランの提供は8月末日までだが、レストランメニューにおける‟昭和100年“コンテンツについては、秋以降も継続を検討しているそうだ。

 

昭和レトロをコンセプトにしたメニューは再現だけではなく、当時をフィーチャーした新メニューも。「グランドプリンスホテル新高輪」の「Lounge Momiji」では、メニュー企画を行ない、新たに‟プリンアラモード“を提供
昭和レトロをコンセプトにしたメニューは再現だけではなく、当時をフィーチャーした新メニューも。「グランドプリンスホテル新高輪」の「Lounge Momiji」では、メニュー企画を行ない、新たに‟プリンアラモード“を提供

折に触れ、筆者も同施設を訪れているが、その度に感じるのは‟古き良きは残し、新しい風に対しては柔軟に“という姿勢だ。言葉にすれば一行にすぎないが、歴史あるシティホテルがこのマインドを持つことは決して容易ではない。そのあり方は、地方の老舗企業が事業承継に取り組む際などに、ぜひ参考にしてもらいたいロールモデルのひとつだといえる。
 
いずれにしても、「グランドプリンスホテル高輪」が今回手掛けた‟昭和100年“コンテンツの取り組みはとても‟素敵“だ。
 
ぜひとも、足を運んでみてもらいたい。
 
「グランドプリンスホテル高輪」
https://www.princehotels.co.jp/takanawa/
 
 

「フランス料理 ル・トリアノン」では、伝統的なフランス料理の中でも特に格式高い料理として知られる”牛フィレ肉のシャルルマーニュ”復活への声が高かった。婚礼や特別な宴席でのコース料理のメインディッシュとして出されてきた料理でもあり、”特別な日の料理”として記憶しているお客さまも多いのだろう
「フランス料理 ル・トリアノン」では、伝統的なフランス料理の中でも特に格式高い料理として知られる”牛フィレ肉のシャルルマーニュ”復活への声が高かった。婚礼や特別な宴席でのコース料理のメインディッシュとして出されてきた料理でもあり、”特別な日の料理”として記憶しているお客さまも多いのだろう
「中国料理 古稀殿」では、” 仏跳牆【ふかひれ入り山海の壺蒸しスープ】”へのリクエストが多く集まった。干した鮑や貝柱、ナマコ、烏骨鶏など、様々な高級食材を数日かけて調理する伝統的なスープを、昭和より受け継ぐ”仏跳牆”の文字が入った専用の器で提供している
「中国料理 古稀殿」では、” 仏跳牆【ふかひれ入り山海の壺蒸しスープ】”へのリクエストが多く集まった。干した鮑や貝柱、ナマコ、烏骨鶏など、様々な高級食材を数日かけて調理する伝統的なスープを、昭和より受け継ぐ”仏跳牆”の文字が入った専用の器で提供している
「ラウンジ 光明」の”伝統のカルカッタカレー”。開業時から現代まで受け継がれるレシピで提供されている。ライスは白米かバターライスから選べるなど、シンプルだが、”ホテルで食べるご馳走カレー”を楽しむことができる。カレーソースが重厚感のあるグレービーボートで提供されるのも嬉しい
「ラウンジ 光明」の”伝統のカルカッタカレー”。開業時から現代まで受け継がれるレシピで提供されている。ライスは白米かバターライスから選べるなど、シンプルだが、”ホテルで食べるご馳走カレー”を楽しむことができる。カレーソースが重厚感のあるグレービーボートで提供されるのも嬉しい
「ラウンジ 光明」からは、もう一品紹介する。”アップルパイアラモード”。昭和期から親しまれてきたこのデザートは、バターをたっぷりと使用したパイ生地に、シナモンを効かせた甘酸っぱいリンゴのコンポートがふんだんに詰められた、古き良き”王道”のアップルパイだ
「ラウンジ 光明」からは、もう一品紹介する。”アップルパイアラモード”。昭和期から親しまれてきたこのデザートは、バターをたっぷりと使用したパイ生地に、シナモンを効かせた甘酸っぱいリンゴのコンポートがふんだんに詰められた、古き良き”王道”のアップルパイだ
‟昭和タイムトリップステイ“ルームのアメニティのひとつである”写ルンです”。昭和時代を現役で過ごしたお客さまには懐かしさと共に、若い世代には昭和レトロの空気感と共に、ぜひ滞在の思い出を撮影してもらいたい
‟昭和タイムトリップステイ“ルームのアメニティのひとつである”写ルンです”。昭和時代を現役で過ごしたお客さまには懐かしさと共に、若い世代には昭和レトロの空気感と共に、ぜひ滞在の思い出を撮影してもらいたい
客室にはレコードプレーヤーも設置してあり、洋楽から昭和歌謡まで、スタッフセレクトによる多数のレコードが用意されている。その音色が誘うタイムトリップも、同室に滞在する楽しみのひとつだ
客室にはレコードプレーヤーも設置してあり、洋楽から昭和歌謡まで、スタッフセレクトによる多数のレコードが用意されている。その音色が誘うタイムトリップも、同室に滞在する楽しみのひとつだ
同施設の夏の風物詩として親しまれてきた“高輪 夏まつり”も、今夏は“昭和レトロな夏まつり”をテーマに開催。会場には、当時の映画ポスターの展示や六畳間再現コーナーなどのフォトスポットも登場。別エリアにはけん玉やめんこなどの‟懐かしのあそび広場“もあり、昭和の記憶を五感で味わえる演出満載だ
同施設の夏の風物詩として親しまれてきた“高輪 夏まつり”も、今夏は“昭和レトロな夏まつり”をテーマに開催。会場には、当時の映画ポスターの展示や六畳間再現コーナーなどのフォトスポットも登場。別エリアにはけん玉やめんこなどの‟懐かしのあそび広場“もあり、昭和の記憶を五感で味わえる演出満載だ
近代建築の礎を築いた巨匠・村野藤吾が手掛けた、数寄屋造りの茶室建築「茶寮 惠庵」。今夏は、京都の老舗「福寿園」協力のもと、期間限定で和カフェも初開催した。PCやスマートフォンから、計6室ある茶室や個室を360度で体験できるバーチャルツアーも展開されており、こちらは今後も継続される予定だ
近代建築の礎を築いた巨匠・村野藤吾が手掛けた、数寄屋造りの茶室建築「茶寮 惠庵」。今夏は、京都の老舗「福寿園」協力のもと、期間限定で和カフェも初開催した。PCやスマートフォンから、計6室ある茶室や個室を360度で体験できるバーチャルツアーも展開されており、こちらは今後も継続される予定だ

担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp

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